仮免学科試験対策「交差点などの通行、踏切」③【有料級】
「歩行者の保護など」の項目に続いて出題率の高い項目です(※本人調べ)。なぜなら、交通事故の大半は交差点やその付近で起きているからです。ここでは、しっかり基本を身に付けるとともに実際の運転にも生かせるように学習しましょう。
【左折の方法】環状交差点を除く
自動車は、交差点(車道と車道の交わった部分)を左折しようとする時は、あらかじめ(交差点の手前約30メートルまでに)できるだけ(運転している自動車の内輪差を考慮して)道路の左端(左側ではない)に寄り、交差点の側端(端)に沿って徐行しながら(すぐに停止できるような速度で)通行しなければならない。
【右折の方法】環状交差点を除く
1 自動車は、右折しようとする時は、あらかじめ(交差点の手前約30メートルまでに)できるだけ(内輪差を考慮して)道路の中央(中央線があれば中央線)に寄り、交差点のすぐ内側(直近の内側)を徐行(すぐに停止できるような速度で)通行しなければならない。
2 自動車は一方通行の道路(出口は車両進入禁止の標識が設けられてあり、基本的に自動車はやってこれない道路)から右折しようとする時は、あらかじめ(交差点の手前約30メートル)できるだけ道路の右端(右側ではない)に寄り、交差点の中心の内側(すぐ内側ではない)を徐行しながら(すぐに停止できるような速度で)通行しなければならない。
3 原動機付自転車(エンジンの総排気量が50cc以下または定格出力0.6kw以下の原動機を用いたミニバイクで普通運転免許を取得すれば乗れるバイク)の右折方法
【二段階の右折方法】
二段階右折の標識のある道路、3車線以上の道路で信号機などで交通整理されている道路で右折しようとする場合は、
① あらかじめできるだけ道路の左端に寄る(左折専用やバス専用であっても)
② 交差点の手前約30メートルで右合図を出す(左端に寄っているにも関わらず)
③ 青信号で徐行しながら(すぐに停止できるような速度で)、交差点の向こう側までまっすぐ進み
④ その地点で進行方向に向きを変え、合図を消す
⑤ 信号が青になったら進む
上記の場合、青色の矢印信号で右折はできません。
⑥ 小回り(二段階右折の禁止の標識)で右折する方法は、自動車と同じ方法で右折します(あらかじめできるだけ道路の中央、一方通行なら右端に寄り徐行する)。
【右折車の直進車、左折車に対する進行妨害(他車に急ブレーキや急ハンドルで避けさせる行為)の禁止】環状交差点を除く
自動車は右折しようとする場合に、直進や左折する車(自転車も含まれる)や路面電車がある時は、自分の車が先に入っていても、その進行を妨げてはいけません(対向車に急ブレーキや急ハンドルで避けさせること)。
【進行方向別による通行区分】
車両通行帯(車線、レーン)のある道路で標識や標示によって交差点で進行する方向ごとに通行区分が指定されている時は指定された区分に従って通行しなければなりません。ただし、
① 緊急自動車(救急車やパトカーなど)が近づいてきた時や
② 道路の損壊(陥没や崩れなど)、道路工事などでやむを得ない(どうしようもない)場合は除かれます。
【標識などによる指定方向への進行】
標識(指定方向外進行禁止)によって、直進や左折など進行方向が指定されている交差点では、その指定された方向にしか進行してはいけません。
【右折、左折などの合図をした車の進路変更妨害の禁止】
前の車が右折、左折するためや標識や標示により指定された車両通行帯を通行するためなどで進路を変えようとして合図をした時は、その車の進路の変更を妨げてはいけません(相手に急ハンドルや急ブレーキで避けさせることなど)。
【道路に面した場所への右折、左折の方法】
道路外(店などの駐車場やガソリンスタンドなど)に出るため右折、左折しようとするときは、次のようにしなければなりません。
① 右折する時は、あらかじめ(右折しようとする地点から約30メートル手前までに)できるだけ道路の中央(一方通行の道路では右端)に寄って徐行する(すぐに停止できるような速度で進行する)。
② 左折する時は、あらかじめ(左折しようとする地点から約30メートル手前までに)できるだけ(自動車の大きさにあった内輪差を考えて)道路の左端に寄って徐行する(停止できるような速度で進行する)。
③ 道路に面した場所に出入りするために、歩道(一段高くなっていたり、縁石などによって車道と区分された歩行者だけが通行する道路)や路側帯(歩道のない道路で車道の端に引かれた白線で車道と区分された部分で歩行者と自転車などの軽車両が通行する部分)を横切る場合には、その直前で(歩行者がいなくても)一時停止して出入りしなければならない(その場合に後続車に追突されないように注意が必要です)。
④ 道路に面した場所への右折、左折の合図をした車の進路変更の妨害の禁止
【交差点を通行する時の注意】
1 安全な速度と方法
交差点(車道と車道が交わる部分)とその付近(交差点の端から約30メートル手前の部分)は最も事故の多い場所です(市街地になると約7割)。交差点(環状交差点を除く)に入ろうとする時や、交差点内(環状交差点を除く)を通行する時は、右折車、歩行者などに気を配りながら交差点の状況に応じて、できる限り安全な速度と方法で進行しなければなりません。
特に右折しようとする時は、対向車を直進する2輪車が見えにくくなることがある(小さいものは遠くに見えるという目の錯覚がある)ので十分注意しましょう。
2 環状交差点における安全な速度と方法
環状交差点に入ろうとするときや環状交差点内を通行する時は環状交差点を通行する車、環状交差点に入ろうとする車、歩行者などに気を配りながら、環状交差点の状況に応じてできるだけ安全な速度と方法で通行しなければなりません(守らないと違反です)。
3 右折、左折時の巻き込み防止
車が右折、左折をする時は内輪差(前輪よりも後輪が内側を通ること。その差は普通乗用車で約1メートル)が生じます。特に大型車は内輪差が大きく、左後方が見えにくいので歩行者や自転車などを巻き込まないように注意しましょう。また、2輪車で交差点を通行する時は他の車が右折、左折する時に生じる内輪差によって巻き込まれないように注意しましょう。
【交通整理の行われていない(信号機などがない)交差点の通行方法】
1 交差点(環状交差点を除く)の通行方法
① 優先道路などを通行する車両の進行妨害の禁止
交差する道路が優先道路(標識や標示によって指定された道路)であるときや交差する道路が明らかに(100%)広いときは徐行(すぐに停止できるような速度で進行)するとともに、交差する道路を進行する車や路面電車の進行を妨げて(相手に急ブレーキや急ハンドルで避けさせることなど)はいけません。
② 左方車両に対する進行妨害の禁止(左方優先)
道幅が同じ(誰に聞いても道幅が同じ)ような道路の交差点では、左方(左)からくる車がある時は、その車の進行を妨げてはいけません。
③ 路面電車に対する進路妨害の禁止
道幅が同じような道路(自分のほうが100%広い場合は自分が優先)の交差する路面電車の進行を妨げてはいけません(公共の乗り物を優先する)。
④ 指定場所における一時停止など
「一時停止」の標識(徐行ではないほうの逆三角形の標識)がある時は、停止線の直前(停止線がない時は、交差点の直前)で一時停止をするとともに、交差する道路を通行する車や路面電車の進行を妨げてはいけません。また、進行方向に赤色の点滅信号があるときも同じです。
2 環状交差点の通行方法
① 徐行(すぐに停止できる速度)による通行
右折、左折、直進、転回(Uターン)しようとする時は、あらかじめできるだけ道路の左端に寄り、環状交差点の側端に沿って徐行しながら通行しなければなりません。
② 指定場所における通行方法
右折、左折、直進、転回(Uターン)の場合矢印などの標示で通行方法が指定されている時は、それに従わなければなりません。
③ 環状交差点内通行車両等の進行妨害の禁止
環状交差点に入ろうとする時は、徐行(すぐに停止できる速度)するとともに環状交差点内を通行する車や路面電車の進行を妨げてはいけません。
【踏切の通過方法など】
1 一時停止と安全確認
(1) 一時停止と目及び耳による安全確認(止まる・見る・聞く)
① 踏切を通過しようとする時は、踏切の直前(停止線がある時は、停止線の直前)で一時停止をし、ラジオやカーステレオの音量を下げ、窓を開けて音を聞き、左右の安全を確認する(全国には警報機の無い踏切や遮断器のない踏切がある)。
② 踏切に(踏切専用の)信号機のある場合は、青信号に従って(停止しないで)通過することができます。(止まらない・見る・聞く)
③ 安全を確認する場合、一方からの列車が通過しても、その直後に反対の方向から列車が近づいてくる場合があるので注意する。
④ 前の車に続いて通過するときでも、一時停止をし、安全を確かめなければなりません(状況は刻々と変化しています)。
⑤ 踏切の向こう側が混雑しているため、そのまま進むと踏切内で動きがとれなくなるおそれがあるときは、入ってはいけません(踏切内で立ち往生してしまったら悪質な場合、莫大な損害賠償を請求される場合があります)。
(2) 警報機、遮断機による進入禁止
警報機が鳴っている時や遮断機が降りていたり、降り始めている時は踏切に入ってはいけません(鳴ったら渡らない)。
(3) 踏切の通過の方法
① 低速ギア(MT車なら通常1速、トラック系は2速発進。AT車はドライブのまま)でやや中央寄りを進行(タイヤが線路外に落ちないようにするため)
踏切内では、エンスト(エンジンストール)を防止するため、変速(ギアチェンジ)しないで、発進した時の低速ギア(力が強いギア)のまま一気(ためらわず)に、落輪しないようにやや中央寄りを通過しましょう。
② 歩行者などに対する注意
列車の通過待ちのあとの踏切は、歩行者や対向車などで混雑します。歩行者や対向車に注意しながら通過しましょう。
(4) 踏切上での故障時等の措置
① 列車の運転士などへの通報と車の移動
踏切で故障などのため車が動かなくなった時は、一刻も早く列車の運転士に知らせるとともに、車を踏切外に移動させなければならない(非常ボタンを押す→無ければ発煙筒→無ければ煙の出るものを燃やす)。エンジンが掛からない場合は、ニュートラルにして誰かに押してもらう。動く場合は踏切内に入ってすぐなら後退する。半分過ぎていたら、前進する。MT車で古い自動車なら、ギアを入れたままキーを右に回し続けると、回している間だけ進みます。最近のMT車はクラッチを踏まないとエンジンが掛からないシステム(クラッチスタートシステム)を採用しているので、できません。
② 踏切支障報知装置などの利用
非常ボタン(踏切支障報知装置)を押す→非常ボタンが有るにも関わらず押さなかった場合、損害賠償を請求される場合がある。列車を1分止めてしまったら100万円?
非常ボタンが無い場合は、発煙筒を使用する(運転席や助手席の足元の赤い筒状の物でキャップを開け、フタの頭部分で本体部分を擦って着火する)。
発煙筒を使い切ってしまったり、無い場合は煙の出やすいものを燃やす。