Ⅰ 運転免許の仕組み
1 運転免許証の携帯及び提示
道路で自動車や原動機付自転車を運転するときは、その車種やけん引などの状態に応じた免許を受け、その免許証を携帯しなければなりません(免許証を携帯しないで運転した場合、「免許証不携帯」の違反となります)。
また、警察官から免許証の提示を求められた場合には、免許証を提示し(警察官に免許証を手渡さ)なければなりません。なお、免許を受けていても免許の停止処分中の者はその期間、運転することはできません。
無免許運転の例
① 免許を受けないで運転したとき(まさに無免許)
② 有効期間の過ぎた免許証で運転したとき(免許には有効期間がある)
③ 免許の取り消しを受けた後に運転したとき(人の命を奪うような事故や違反)
④ 免許の停止、仮停止期間中を受けたとき(重大な事故や違反)
⑤ 試験合格後の免許証交付前に運転したとき(発表があり、合格はしたが受け取っていないのにも関わらず待ちきれずに運転してしまった)
⑥ その免許によって運転できない自動車や原動機付自転車を運転したとき(免許外運転)
2 免許の種類と運転できる自動車など
① 免許の区分
運転免許は次の3つに区分されます。
第1種運転免許(自動車や原動機付自転車を運転しようとする場合の免許です)
第2種運転免許(乗合バス、タクシーなどの旅客自動車を旅客運送のため運転しようとする場合や代行運転※酔った客の自動車である普通自動車を運転する場合の免許です)
仮運転免許 第1種運転免許または第2種運転免許を受けようとする者が、練習などのために大型自動車、中型自動車、準中型自動車や普通自動車を運転しようとする場合の免許をいいます。
② 第1種運転免許の種類(普通自動車は必ず覚えておこう!)
大型自動車「車両総重量(車の重さ+人の重さ+荷物の重さ)が11,000kg以上、最大積載量(荷物の重さ)が6,500kg以上、乗車定員(人の重さは1人あたり55kgで計算する)が30人以上のいずれかに該当する自動車・中型自動車(車両総重量7,500kg以上11,000kg未満で最大積載量4,500kg以上6,500kg未満で乗車定員11人以上29人以下)・準中型自動車(車両総重量3,500kg以上7,500kg未満で最大積載量2,500kg以上4,500kg未満で乗車定員10人以下)・普通自動車(車両総重量3,500kg未満で最大積載量2,500kg未満で乗車定員10人以下)・大型特殊自動車(ロードローラなど工事現場等で活躍する自動車)・大型自動二輪車(エンジンの総排気量が400cc・定格出力20キロワットを超える)・普通自動二輪車(エンジンの総排気量が50cc超400cc以下定格・出力20キロワット以下)・小型特殊自動車(耕運機やトラクターなど主に農耕用自動車)・原動機付自転車(エンジンの総排気量50cc以下・定格出力0.6キロワット以下またはエンジン総排気量20cc以下・定格出力0.25キロワット以下の三輪のものまたはエンジンの総排気量が20cc超50cc以下で車室を備えずかつ輪距が0.5メートル以下の三輪のもの)
普通免許を持っていれば、上記の普通自動車・小型特殊自動車・原動機付自転車を乗ることができます。普通二輪免許を持っていれば、普通自動2輪車・小型特殊自動車・原動機付自転車が乗れます。大型特殊免許を持っていれば、大型特殊自動車・小型特殊自動車・原動機付自転車が乗れます。ただし、小型特殊免許では小型特殊自動車だけ、原付免許では原動機付自転車のみ運転することができます。
受験資格
受験資格(年齢・運転経験)、車両総重量(車+荷+人)、 最大積載量 (荷)、乗車定員(運転手を含んだ人数)
普通免許・・・18歳以上、3.5トン未満、2.5トン未満、10人以下
準中型免許・・・18歳以上、3.5t以上7.5t未満、2t以上4t未満、10人以下
中型免許・・・20歳以上取得2年以上、7.5t以上11t未満、4t以上6.5t未満、11人以上30人未満
大型免許・・・21歳以上取得3年以上、11t以上、6.5t以上、30人以上
中型2種(タクシー)免許・・・21歳以上で取得が3年以上必要
3 仮免許
① 仮免許による運転
大型自動車、中型自動車、準中型自動車または普通自動車の第1種運転免許または第2種運転免許を受けようとする者が、練習などのために運転しようとする場合は仮免許を受けなければなりません。
仮免許を受けた者が大型自動車、中型自動車、準中型自動車または普通自動車を運転するときは、次のいずれかの人を運転席の横に乗せ、その指導を受けながら運転しなければなりません。
・その車を運転することができる第1種運転免許を3年以上受けている者
・その車を運転することができる第2種運転免許を受けている者
・指定自動車教習所の教習指導員
仮免許の有効期間は6ヶ月間です。
② 練習標識の表示
仮免許を受けて自動車の運転をするときは、車の前と後ろに仮免許練習標識を定められた位置(地上から0.4メートル以上1.2メートル以下の高さで見やすい位置)につけなければなりません。
4 牽(けん)引(いん)免許(トレーラー免許)
けん引するための構造、装置有する大型自動車、中型自動車、準中型自動車、普通自動車、大型特殊自動車で他の車をけん引するときは、けん引する自動車の種類に応じた免許のほか、けん引免許が必要です。
しかし、次のような場合はけん引免許は必要ありません。
・けん引する車が車両総重量(車+荷+人)が750kg以下
・故障車をロープやクレーンでけん引するとき(車両総重量関係なし)
5 緊急自動車の運転資格
緊急自動車を運転する場合には、その自動車の運転に必要な運転免許のほかに、運転経験年数や年齢についての特別の資格が必要です。
・大型自動車、中型自動車、準中型自動車の緊急自動車(大型のはしご車、ポンプ車など)・・・年齢が21歳以上、免許取得3年以上
・普通自動車の緊急自動車(パトカー、救急車など)・・・年齢が20歳以上で免許取得2年以上
・大型自動二輪車、普通自動二輪車の緊急自動車(白バイ、青バイ、赤バイなど)・・・免許取得2年以上
Ⅱ 運転免許証の更新など
1 運転免許証の記載事項の変更届
免許を受けた者は、本籍、住所、氏名などに変更があった場合には、速やかに住所地の公安委員会に届け出て、変更のことがらについて届け出をしなければなりません。
2 運転免許証の有効期間
初回更新者・・・適性試験(視力検査など)を受けた日の後の、3回目の誕生日から1ヶ月を経過する(3回目+1ヶ月を過ぎない)日まで
優良運転者及び一般運転者・・・継続して運転している期間が5年以上あり、過去5年間に無事故、無違反または軽微な違反を1回のみした者は有効期間が5年です。ただし年齢によって変わります。
違反運転者・・・継続して運転している期間が5年以上あり、過去5年間に事故を起こしたり、重大な違反や2回以上の軽微な違反をした者は有効期間が3年となります。
3 運転免許証の更新及び定期検査
更新を受けようとするときは、有効期間の満了する直前の誕生日の1ヶ月前から満了する日(満了する日が土曜日、日曜日、祝日の場合はその翌日)のあいだに住所地を管轄する公安委員会に更新申請書を提出し、公安委員会が行う適性試験を受けなければなりません。一定の病気等に該当するか判断するための質問票を公安委員会から受けた者は、その質問票も合わせて提出しなければなりません。
4 運転免許証更新の特例
海外旅行その他やむを得ない(どうしようもない)理由のため、更新期間内に適性試験(視力検査など)を受けることが困難と予想される場合は、住所地を管轄する公安委員会に更新期間前であっても、免許証の更新を申請することができます。
また更新を受けようとする者のうち、優良運転者に限り更新申請書の提出を住所地を管轄する公安委員会以外の公安委員会を経由をして行うことができます。
5 更新を受けようとする者の義務
更新を受けようとするときは、公安委員会が行う講習を受けなければなりません。講習には次の4種類があります。
① 優良運転者講習
運転免許を受けている期間が5年以上で、過去5年間、無事故・無違反の者が受講します。
② 一般運転者講習
運転免許を受けている期間が5年以上で、過去5年間、軽微な違反1回のみである者が受講します。
③ 違反運転者講習
運転免許を受けている期間が5年以上で、過去5年間に事故を起こしたり、重大な違反や2回以上の軽微な違反を起こした者が受講します。
④ 初回更新者講習
免許を受けている期間が5年未満の者(初回更新者)が受講します。
6 臨時適性検査
免許を受けている人が、心身の障がいにより、車の運転に支障を及ぼすおそれのある場合は、公安員会は臨時適性試験(視力検査等)を行うことができます。
7 運転免許の失効
免許証の更新を受けなかったときは、その効力が失われます(もう1度教習所などで免許証を取得し直します)。
再び免許を取得するためには、改めて免許試験を受けなければなりません。しかし、次のような場合には、免許試験の一部が免除されます。
① やむを得ない理由のために免許の失効後、6か月以内に免許試験(学科・技能試験免除)を受けられなかった場合
病気や海外旅行などのやむを得ない理由のため、免許が失効した後6か月以内に免許試験(学科・技能試験免除)を受けることができなかった場合は、その後その事情(病気、海外旅行など)がなくなった日(病気の場合は退院などの日)から1か月以内にその事情を証明する書類などを添えて申請をし、適性試験(視力検査など)に合格すれば、失効前の免許証を継続したとみなし、新しい免許証が交付されます。
ただし、このような場合でも免許証の有効期間が満了した日から3年を経過しているときは改めて技能試験(運転)と学科試験を受けなければなりません。
② やむを得ない理由がなく、免許が失効した日から6ヶ月以内の場合
免許が失効した日から6ヶ月以内であれば、適性試験(視力検査)などに合格すれば失効前の免許を継続したとみなし、新しい免許が交付されます。
8 申請による運転免許の取り消し
運転免許を有する(受けている)者は、住所地を管轄する公安委員会に対し、運転免許の全部または一部(原付免許だけを残すなど)の取り消しを申請(免許の返上)することができます。
Ⅲ 点数制度の概要
1 点数制度の意義および内容のあらまし(おおよそ、大体)
点数制度とは、自動車(原動機付自転車を含む)の運転者の過去3年間の交通違反・事故に、その内容に応じて定められた点数をつけ、その合計点数が一定の基準に達した場合に、運転免許の拒否、保留または取り消し、停止をする制度です。
2 違反行為と点数
① 基礎点数
交通違反などにつけられる点数で、特に悪質で危険性の高い「特定違反行為」と特定違反行為以外の「一般行為違反」とに区分さ(分けら)れ、特定違反行為には「危険運転致死等」、「酒酔い運転」など、一般違反行為には「無免許運転」、「速度違反」などがあり、あわせて17段階の点数が定められています。
② 付加点数
交通事故を起こした場合は、原因となった違反行為の基礎点数に交通事故の種別による付加点数が加算されます。
また、救護義務違反(ひき逃げ)をすれば、さらに35点が加算されます。
3 処分の基準点数
処分の基準となる点数は、過去3年以内の運転免許の停止の回数によって、運転免許の停止または取り消しの基準点数が定められます。
なお、一定期間、無事故・無違反であった運転者については、違反点数または前歴の計算において次のような特例が認められています。
① 免許を受けていた期間が1年以上あり、その間無事故・無違反であったときは、それ以前の違反や事故の点数は加算されません。
② 免許を受けていた期間が2年以上あり、その間無事故・無違反であった者が軽微な違反行為(点数が1点、2点または3点である違反行為)をした場合、その日からさらに3ヶ月間無事故・無違反であったときは、その点数は加算されません。
③ 運転免許の停止などの、前歴のある場合であっても、その後1年以上の間、無事故・無違反で運転免許の停止も受けないで経過したときは、それまでの運転免許の停止などの回数は、前歴0回の者として扱われます。
Ⅳ 運転免許の取り消し、停止等
1 運転免許の拒否、保留など
運転免許試験に合格した者であっても、いずれかに該当する人は免許を拒否、または6ヶ月を超えない範囲内で保留されることがあります。
① 次に掲げるような心身の障がいにより、車の運転に支障を及ぼすおそれのある人
・統合失調症
・てんかん、再発性失神、無自覚性の低血糖症
・躁うつ病、重度の睡眠障がいなど
・認知症
・アルコール、麻薬等の中毒者
② 交通違反、事故などを起こした人
③ 運転者に道路交通法の重大違反(酒酔い運転、麻薬等運転)をさせたり、またそれを助けたりする行為(重大違反そそのかし等)を行った人
④ 駐車場など道路以外の場所で自動車等を運転し、人を死傷させる行為(道路外致死傷)を起こした人
また、上記に関わらず、次のいずれかに該当する人は、公安委員会から免許を拒否される場合があります。
① 自動車等を運転して、故意に(わざと)人を死傷させ、または建造物を損壊させる行為をした人
② 危険運転致死傷罪等に当たる行為をした人
③ 酒酔い運転、または麻薬等運転をした人
④ 救護義務違反(ひき逃げ)をした人
⑤ 道路外致死傷で故意によるものまたは危険運転致死傷罪等に当たる行為をした者
2 運転免許の取消し、停止など
免許を受けた者が、心身に障がいを生じ、または免許の欠格事由に該当することとなったときは、免許が取り消されることがあります。
また、免許を受けた者が次のいずれかに該当する場合は、免許の取消しを受けたり、または6ヶ月以内の範囲内で免許の効力が停止される場合があります。
① 次に掲げる病気にかかっていることが判明したとき
・統合失調症
・てんかん、再発性失神、無自覚性の低血糖症
・躁うつ病、重度の睡眠障がい等
② 認知症であることが判明したとき
③ 目が見えないことや次に掲げるような身体の障がいにより、車の運転に支障があることが判明したとき
・障がいにより腰を掛けていることができない人
・四肢の全部または機能を失った人
④ アルコール、麻薬等の中毒者であることが判明したとき
⑤ 交通違反、事故を起こしたとき
⑥ 重大違反そそのかし等、道路外致死傷を行ったとき
⑦ その他、免許を受けた者が運転することにより、著しく交通の危険を生じさせるおそれがあるとき
また、上記に関わらず次のいずれかに該当する人は、免許が取り消される場合があります。
① 自動車等を運転して故意に(わざと)人を死傷させ、または建造物を損壊させる行為をしたとき
② 危険運転致死傷罪等に当たる行為をしたとき
③ 酒酔い運転または麻薬等運転をしたとき
④ 救護義務違反(ひき逃げ)をしたとき
⑤ 道路外致死傷で故意によるもの又は危険運転致死傷罪等に当たる行為をしたとき
● 悪質危険運転
悪質かつ危険な運転に対する法律として「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」により、「危険運転致死傷罪」、「過失運転致死傷罪」があります。
また、アルコールや薬物による事故を隠すため、現場から逃走した場合の「過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪」等もあり、無免許運転の場合はこれらの罰則に加算されます。
3 運転免許の効力の仮停止
悪質な重大事故を起こしたときは、その日から30日間を限度に事故を起こした場所の警察署長から免許の仮停止を受けることがあります。
4 仮免許の取消し
仮免許を受けた者が心身に障がいを生じ、運転に支障を及ぼすおそれがあるとき又は交通法令の違反により取消しの基準に達したとき、重大違反そそのかし等や道路外致死傷を行ったときは、仮免許を取り消すことがあります。
5 運転免許証の返納など
次の場合、住所地の公安委員会に免許証を速やかに返納しなければなりません。
① 免許が取り消されたとき
② 免許が失効したとき
③ 免許証の再交付を受けたのち、失くした免許証を発見、または回復したとき
Ⅴ 初心運転者期間制度
1 初心運転者期間
準中型免許、普通免許、大型二輪免許、普通二輪免許または原付免許を受けた者について、免許の種類ごとに、取得後1年間(停止中の期間を除く)が初心運転者期間とされます。
2 初心運転者講習
初心運転者期間に道路交通違反などを犯し一定の基準(合計した点数が初めて3点以上となる場合、ただし1回の違反で3点以上となる場合を除く)に該当した者には、初心運転者講習が行われます。
3 再試験
2の基準に該当する者が初心運転者講習を受けなかった場合や、講習を受けてもその後、初心運転者期間が経過するまでの間に道路交通違反などを犯し、一定の基準(合計した点数が初めて3点以上となる場合、ただし、1回の違反で3点以上となる場合を除く)に該当した場合は再試験が行われます。
ただし、普通免許を2年以上受けてから準中型免許を取得した者は免除されます。
4 再試験に係る取り消し
再試験に合格しなかった者や再試験を受けなかった者の免許は取り消されます。この取消処分については欠格期間(免許試験を受けられない期間)がありません。
5 若年運転者期間制度
① 若年運転者期間
特例取得免許(19歳から大型免許を受けることができる者に該当して受けた大型免許もしくは19歳から中型免許受けることができる者に該当して受けた中型免許)を受けている者で、特例取得免許を最初に受けた日から21歳に達する日までの間(停止期間及び20歳に達した日以後、中型免許のみを受けている期間を除く)が「若年運転者期間」といいます。
② 若年運転者講習
若年運転者期間内に道路交通法等に違反する行為をし、一定の基準に該当し、通知を受けたときは、通知を受けた日から1ヶ月を超えるまでの間に若年運転者講習を受けなければなりません。
③ 若年運転者期間に係る取消し
期間中に講習を受けないとき、または受講した後、若年運転者期間が経過するまでの間に再び道路交通違反などを犯し一定の基準に該当した者は、特例取得免許を取り消されます。
Ⅶ 取消処分者講習制度
過去に運転免許の拒否、取消し(再試験に係る取消しを除く)または6ヶ月を超える期間の運転の禁止の処分を受けたことのある者が、欠格期間(運転免許試験を受けられない期間)後、運転免許試験を再び受けようとするときは、過去1年以内に公安委員会が行う取消処分者講習を受けていなければ、運転免許試験を受けることができません。
また、免許が失効したため、免許の取消しを受けなかった者等が運転免許を再取得する場合も取消処分者講習を受けなければなりません。
Ⅷ 交通反則通告制度の概要
1 交通反則通告制度の意義及び内容のあらまし
交通反則通告制度とは、危険性の高い悪質な違反を除き、比較的危険性の少ない軽い交通違反(「反則行為」という)については、一定期間内に定額の反則金を納めれば、刑事上の責任は問われないというものです。
しかし、無免許運転や酒気帯び運転した者、反則行為によって交通事故を起こした者のような危険性の高い者には、この制度は適用されません。
2 反則金
反則金は国に納められますが、都道府県や市町村の交通安全施設の設置などの使われます。
3 告知と仮納付
① 反則行為をした者は、警察官などから「交通反則告知書」(青色キップ)が交付されます。反則者は告知内容に異議がなければ、告知を受けた日の翌日から7日以内に定められた反則金を郵便局や銀行に仮納付をすることができます。
② 仮納付をした者に対しては、後日警察本部長がその者に公示の方法で通告することにより、反則金を本納付したこととみなされ、すべての手続がが終わり、刑事上の責任は問われません。
4 通告と納付
仮納付をしないときは、指定された通告センターに出頭するか、または郵送による通告書で、反則金納付の通告を受けることになります。通告を受けた者は通告を受けた日の翌日から10日以内に仮納付と同じ方法で反則金を納付することにより手続きが終わります。
● 高齢者講習制度
更新期間満了日における年齢が70歳以上75歳未満の高齢者については、更新期間が満了する6ヶ月以内に高齢者講習を受講しなければなりません。
ただし、更新日前6ヶ月以内に公安委員会が行う任意講習または民間の行う一定の教育を受けた人は免除されます。
高齢者講習の内容としては、受講時に運転適性指導を受けることにより、高齢者が加齢に伴って生ずる身体の機能の低下を自覚して、安全に運転することができることとしています。
更新期間満了日における年齢が75歳以上の高齢者については、更新期間が満了する6ヶ月前以内に認知機能検査を受けた上で、高齢者講習を受けなければなりません。ただし、過去3年以内に基準違反行為をした者は、運転技能検査を受け、検査に合格しなければ、免許の更新を受けることができません。
また、75歳以上の方は、免許の更新時のみ受けていた認知機能検査を認知機能の低下により起こしやすい違反行為をしたときは、更新時を待たずに臨時認知機能検査を受けなければなりません。
検査により、機能の低下が運転に影響するおそれがあると診断された場合は、臨時高齢者講習を受けなければなりません。ただし、検査により認知症のおそれがあると判定されたときは、違反の有無を問わず、医師の診断を受け診断書を提出しなければなりません(診断の結果、認知症と判断された場合は、運転免許の取消しの対象となります)。
● 違反者講習制度
違反者講習は、
① 3点以下の違反行為(軽微違反)をし、その累計点数が6点になる者
② 軽微違反行為をしたときに前歴がない者
③ 過去3年以内に免許の効力の停止などの処分や違反行為をしたことがない者
④ 過去3年以内に道路外致死傷や重大違反そそのかし等の行為をしたことがない者
に対して行う講習で、この違反者講習を受けた者に対しては、行政処分が行われないことになります。
講習の内容としては、道路を通行する者に対する交通安全教育などの運転者の資質の向上に関する活動の体験を含む課程、または自動車を用いた運転適性指導を含む課程のいずれかを受講者が選択できることとし、これらを受講することにより自らの危険な運転行動について認識させることとしています。