ドライバー日記

世の中から交通事故を無くしたい。

自動運転〜人間に運転は任せられない〜

 運転を生業(なりわい)にしている。自動運転は、レベル0から5までの6段階ある。いわゆるレベル5が運転者なしで完全自動走行する「完全自動運転」である。日本では一部地域で下の動画にもあるように、施設の中を走行する乗り物や島内の路線バスなどに運転者無しのレベル4の自動運転が行われている。ちなみに自動運転レベル3は運転者が乗っていて、万が一の場合にハンドル操作やブレーキ操作などをできるようにしているレベルだ。


www.youtube.com

 では、なぜ自動運転なのか。それは人間の運転では交通事故が無くならないからである。日本では毎年、減少傾向にあるものの交通事故で毎年、2000人以上が亡くなっている。毎日6、7人亡くなっているのだから、自動車はまだまだ恐ろしい乗りものだといえる。だから、交通事故をこの世から無くすために全て自動運転にするといっても過言ではない。

 運転のプロとして言わせると、運転は日々つまらないものになっていく、その裏には便利さや快適さがつきまとう。自動車が主となり、運転者が万が一のときに運転するだけになったら、それはシステムの奴隷である。本来の運転とは呼べない。人間が道路状況に見合った速度で、障害物や歩行者や自転車などの安全な間隔を保ちながら走行する。時には、歩行者の急な飛び出し、自転車の横断などの危険予測もしながらハンドルを握る。そこには、渋滞、故障といったトラブルやストレスがあり、運転が嫌になることもある。しかしながら、私の場合、物を届けた先にはお客様の感謝の言葉や、笑顔があり配達し終えた充実感で満たされる。運転を職業にして良かったと言える瞬間でもある。とくにフリーのドライバーだから会社に縛られず、仕事が終われば、あとは自由ということもあるのだが。

 最近はトラックもオートマチック車が増えてきて(ドライバーの運転免許がオートマチック車限定というのも珍しくない)ので、マニュアル車を運転する機会が減っている。マニュアル車は「操縦する」という感覚に近い。私は実はそれほど運転は好きではないが、操縦は好きだ。例えば、建設機械の中でもバックホウを操縦して、砂利をダンプカーの荷台に積載するのは楽しい。両手でレバーを操作する感覚が、なんだかアニメに出てくるロボットを操縦している気分になるからだ。支配欲なのかもしれないが、操れる、思いのままに動くことは喜びもひとしおである。

 今後ますます車の運転はつまらなくなる一方であるが、マニュアル車がある限り、折りに触れ、運転を楽しんでいきたい。生きている間、あと何台マニュアル車を運転できるだろうか。寂しいような気もするが致しかたない。今を大切に生きるしかない。