ドライバー日記

世の中から交通事故を無くしたい。

本免学科試験対策12【有料級】「自動車の所有者等の心得と保険制度」

Ⅰ 自動車の登録(届出)と検査

1 自動車の登録(届出)

 自動車は登録を受け(軽自動車は届出)て、番号票(ナンバー・プレート)をつけなければなりません。

 ※ 番号票不表示車の運転禁止

  番号標を取り外したり、折り曲げて見えないようにした車を運転してはいけませんん。

2 自動車の検査(車検)

 ① 検査を受ける義務

  自動車は(検査対象外軽自動車小型特殊自動車を除く。)は一定の時期に検査を受けなければなりません。

 ※ 検査対象外軽自動車

  ・ 二輪の軽自動車

  ・ カタピラ、そりを有する軽自動車

  ・ 被けん引自動車である軽自動車(二輪の軽自動車または小型特殊自動車によりけん引されるものに限る。)以上の自動車と原動機付自転車は、検査制度が適用にならないため、検査標章がないのでその代わりに、自動車損害賠償保障法による「保険標章」を表示することになっています。

 ② 検査標章

  自動車の検査に合格すると自動車検査証とともに検査標章が交付されます。この検査標章を自動車の前面ガラスの内側に貼り付けて表示します。

  運転者室または前面ガラスのない検査対象外軽自動車は、車両番号標の左上部に見やすいように貼り付けます。

 【1年毎に検査を受ける自動車】

  a 事業用自動車ハイヤー、タクシーなど)

  b 大型自動車

  C 自家用の普通貨物自動車(660cc以下のものを除く)※車両総重量8トン未満のものは1回目のみ2年。

 【2年毎に検査を受ける自動車】

  a 自家用の普通乗用自動車※1回目は3年。

  b 自家用または事業用の軽自動車及び2輪の小型自動車※1回目のみ3年。

  C 250cc超の大型自動2輪車及び普通自動2輪車。

 【検査標章】660cc超の4輪車、250cc超の2輪車

  ・ 自動車検査証の有効期間の満了する年を表す数字の位置は、平成31年右下、令和2年左下、令和3年左上、令和4年右上、令和5年右下とし、令和6年以降は順次これを繰り返します。中央の数字は月を示します。

 【検査標章】検査対象軽自動車660cc以下の普通自動車

  ・ 上部(楕円内)の数字は自動車検査証の有効期間の満了する年を、中央の数字は月を表します。

 【保険標章】検査対象外軽自動車、原動機付自転車

  ・ 上部(円形内)の数字は保険期間の満了する年を、中央の数字は月を示します。地色の色分けは、橙色(平成31年)、紫色(令和2年)、黄緑色(令和3年)、赤色(令和4年)、黄色(令和5年)、緑色(令和6年)、青色(令和7年)と順次これを繰り返します。

3 自動車検査証および自賠責保険証明書の備え付け

 自動車には有効な自動車検査証と自動車損害賠償責任証明書または自動車損害賠償責任共済証明書を備えていなければなりません。

4 定期点検

 自動車の使用車は、自動車の車種および用途などに応じ、つぎのように定められた期間内に点検し、必要な整備を受けなければなりません。

 ① 事業用の自動車、自家用の大型自動車および中型自動車・・・3ヶ月ごと(1年に4回)

 ② 自家用の準中型貨物自動車および普通貨物自動車・・・6ヶ月ごと(1年に2回)

 ③ 自家用の普通自動車・・・12ヶ月ごと(1年に1回)

5 自動車の管理

 自動車の所有者は、無免許の人や酒を飲んだ人に車を貸してはいけません。また、車を勝手に持ち出されないように、車の鍵の保管に注意しましょう。

Ⅱ 保険加入の必要性

 自動車による交通事故は、運転者だけでなく、全く関係のない人にも大きな不幸を招くことになります。このため運転者の義務として事故が起きた場合に備え、その責任を果たすためにも保険の加入が必要です。

Ⅲ 自動車保険の種類と仕組み

 自動車および原動機付自転車によって、交通事故を起こした場合、その所有者と運転者には、損害賠償責任が生じます。この損害賠償責任を保証するものとして自動車保険制度があります。

 ・自動車損害賠償責任保険(強制保険) 

 ・自動車保険(任意保険)

 ① 自動車損害賠償責任保険(強制保険)

  a 強制保険への加入

   自動車(農耕作業用小型特殊自動車を除く)や原動機付自転車は、必ず自動車損害賠償責任保険自賠責保険)に自動車損害賠償責任共済(責任共済)に加入しなければなりません。この保険に加入していない自動車を運行しますと、懲役や罰金刑に処せられ、行政処分の対象になります。

   また自動車の検査などの手続きを受けるにも、保険証明書の提示が必要ですし、運転中も必ず携行しなければなりません。

   自動車検査対象外軽自動車や原動機付自転車の所有者は、保険の満期日を忘れないよう注意し、継続契約の手続きをしましょう。

  b 保険金の請求など

   【加害者請求】・・・加害者は、被害者に損害賠償金を支払った後、その範囲内で保険会社に対し保険金の請求ができます。これは3年で時効になりますので早めに請求をする必要があります。

   【被害者請求】・・・加害者からの損害賠償が手間取るようなときは、被害者から直接、加害者の加入している保険会社に対して、損害賠償金の請求ができます。これも時効は3年です。また、被害者が当座の費用や生活費に困る場合、損害賠償を受けるまでの間、その一部を仮渡金として直接保険会社に請求することができます。

  c 保険金(または損害賠償額)の支払限度および仮渡金の額

死亡、傷害の別(1人につき)    保険金         仮渡金

死亡による損害         最高3000万円    290万円

死亡に至るまでの傷害による損害  最高120万円  障害の程度に応じて

                             40万円

                             20万円

                              5万円

介護を要する後遺障がいによる損害  3000万円〜最高4000万円

介護を要する後遺障がいに至るまでの傷害による損害  最高120万円

障害を受けた人

後遺障がい補償費            75万円〜最高3000万円

 

  d その他

   ひき逃げされたり、無保険車によって死傷した場合の被害者は、政府保障事業という制度を利用することができます。これは損害保険会社や自賠責共済の営業窓口で受け付けることになっています。 

 ② 任意自動車保険(任意保険)

  a 任意保険の種類

   強制保険だけでは、賠償できない高額な損害賠償や物損事故、自損事故に備えて任意保険に加入しておきましょう

   任意保険は目的によってセットで加入したり、単独で加入できるようになっています。

   ・ 対人賠償保険(他人を死傷させた場合に対する保険)

   ・ 対物賠償保険(他人の車や物を損壊させた場合に対する保険)

   ・ 車両保険(自分の車が、衝突や盗難、火災などにあった場合に対する保険)

   ・ 自損事故保険(単独事故で、自分が死傷した場合に対する保険〜対人賠償保険に加入すると自動的に付帯〜)

   ・ 搭乗者傷害保険(同乗者が死傷した場合に対する保険〜車両保険が賠償保険と組み合わせて契約)

   ・ 無保険車傷害保険(保険に加入していない車に衝突され死傷した場合に対する保険)

  b 保険金の請求など

   事故が発生した場合は、できるだけ早く(60日以内)保険会社に事故の内容などを連絡しておきます。また示談をしたり、訴訟を起こす場合、事故車の修理をする場合なども連絡しておきます。

   請求に必要な書類は、保険会社に問い合わせればわかりますが、車両保険、対物保険の場合には、事故の状況写真が必要ですので注意しましょう。

 ③ 事故の相談機関

  損害賠償の話し合いは、示談屋などの介入を避け、誠意を持って進めるようにしましょう。また必要があるときは下記の相談機関で相談するようにしましょう(無料)。

  a 都道府県交通事故相談所(都道府県県庁内)

  b 大きな市の交通事故相談所(市役所内)

  C 警察の事故相談係(警察署内)

  d 日弁連交通事故相談センター相談所(地区弁護士会内)

  e 交通安全協会交通相談所(交通安全協会内)

  f 交通安全活動推進センター

  g 損害保険会社の交通事故相談所(全国各店舗内)

  h 損害保険協会の自動車保険請求相談センター(全国54箇所)

  i 交通事故紛争処理センター

   札幌 (011)281−3241

   仙台 (022)263−7231

   東京 (03)3346−1756

   名古屋 (052)581−9491

   大阪 (06)6227−0277

   広島 (082)249−5421

   高松 (087)822−5005

   福岡 (092)721−0881

  j 各都道府県共済農業協同組合連合会交通事故相談所(全国47箇所)

 ④ 過失相殺

  交通事故の場合、過失が被害者にもあるときは、その過失の程度に応じて、損害賠償額が減額されることがあります。これは、被害者の方に信号無視や飛び出しなどの違反があった場合などに適用されます。

  【使用者の義務など】

  ・ 車の使用者は、運転者に交通規制を守らせ、安全運転管理者などに安全運転の管理をさせるように努めなければなりません。自動車運転代行業が、その業務に従事する運転者に代行運転自動車を運転させる場合も同様です。

  ・ 消防用自動車などの緊急自動車や道路維持作業用自動車の使用者は、安全運転管理者を置いている場合を除き、運転者に対し、安全運転に必要な交通安全教育を行うよう努めなければなりません。

  ・ 車の使用者は、車の適正な駐車のために必要な措置を講じなければなりません。

  ・ 運転者が次のようなことをしたときは、公安委員会から、その車の使用者に対して、再発を防止するために必要な措置を取ることを指示されることがあります。それでも、なおこのようなことが繰り返された場合には、使用者は一定期間、その自動車を運転したり、運転させたりすることができなくなる処分を受けることがあります。

   ① 最高速度違反行為(最高速度を超える速度で車を運転する行為をいいます。)

   ② 過積載運転行為(過積載を運転して車を運転する行為をいいます。)

   ③ 過労運転(過労により正常な運転ができないおそれがある状態で車を運転する行為をいいます。)

なお、自動車運転代行業者は、代行運転自動車や随伴用自動車の運転者が、①、③の行為や駐停車違反行為(違法に駐車または停車をする行為をいいます。)をしたときにも、公安委員会から、再発を防止するために必要な措置を取ることを指示されたり、その営業を停止する処分を受けたりすることがあります。

  ・ 公安委員会から放置違反金の納付を命ぜられた車の使用者は、それ以前に放置違反金の納付を命ぜられたことがあるときは、一定期間その車を運転したり、運転させたりすることができなくなる処分を受けることがあります。

  ・ 放置違反金を納付の期限までに納付せず、公安委員会から督促を受けた自動車の使用者は、その放置違反金、延滞金および手数料を納付したことなどを証する書面を提示しなければ、新たに自動車検査証を受けることができません。

  【安全運転管理者など】

 ・ 自動車の使用者は、自動車の安全な運転に必要な業務を行わせるため、乗車定員が11人以上の自動車にあっては1台、その他の自動車にあっては5台(大型自動2輪車と普通自動2輪車はそれぞれ0.5台として計算します。)以上の車を使用する事業者ごとに、安全運転管理者を置かなければなりません。また、自動車運転代行業者は、その営業所ごとに安全運転管理者を置かなければなりません。

 ・ 20台以上の自動車(大型自動2輪車と普通自動2輪車はそれぞれ0.5台として計算します。)を使用する事業所(自動車運転代行業者にあっては、10台以上の随伴用自動車を使用する営業所)には、それぞれ使用する台数に応じて所定の数の副安全運転管理者を置かなければなりません。

 ・ 安全運転管理者は、次のことを確実に行って、運転者に安全な運転をさせるようにしなければなりません。また、副安全運転管理者は、これらの業務について安全運転管理者を補助しなければなりません。

  ① 交通安全教育を行うこと

  ② 自動車の運転についての運転者の適正、技能、知識や運転者が交通規則を守っているかを把握するための措置をとること。

  ③ 最高速度違反行為、過積載運転行為、過労運転、違法な駐車をした場合において、運転者が車を離れて直ちに運転することができない状態にする行為(代行運転自動車および随伴用自動車についたは駐停車違反行為)の防止などに十分気を配って運行計画を作成すること。

  ④ 長距離運転などの場合は、交代運転者を配置すること。

  ⑤ 異常な気象や天災などの場合は、必要な指示をするなど安全運転をさせるための措置をとること。

  ⑥ 日常点検の実施や運転者の健康状態をなどを確認し、安全運転に必要な指示をすること。

  ⑦ 運転しようとする運転者および運転を終了した運転者に対し、酒気帯びの有無について、当該運転者の状態を目視等で確認し、その記録を1年間保存すること。

  ⑧ 運転日誌を付けさせること。

  ⑨ 自動車の運転についての技能、知識など安全運転に必要な事項について指導すること。

 ・ 自動車の使用者や安全運転管理者など自動車の運行を直接管理する者は、運転者に次のようなことをさせたり、黙認したりしてはいけません。このような場合は、一定期間その自動車を運転したり、運転させたりすることができなくなる処分を受けることがあります。

  ① 無免許運転(免許停止中の運転を含みます。)や無資格運転

  ② 最高速度違反行為

  ③ 酒酔い運転や酒気帯び運転

  ④ 麻薬、覚せい剤、シンナー等の服用運転や過労運転など

  ⑤ 積載の制限に違反して自動車を運転する行為

  ⑥ 違反な駐車をした場合において、運転者が車を離れて直ちに運転することができない状態にする行為

 また、自動車運転代行業者やその安全運転管理者などは、代行運転自動車の運転者に対しては、①から④の行為または駐停車違反行為を、随伴用自動車に対しては①から⑤の行為はまたは駐停車違反行為をさせたり、黙認したりしてはいけません。