目的地までの経路がわからないときは、精神的な不安が疲労や不注意の原因になってしまいます。あらかじめ道路地図などを利用して経路を設計しておきましょう。
Ⅰ 地図情報の読み取り
道路地図からは単なる道案内だけでなく、次のようないろいろな情報を読み取ることができます。
① 目安となる地名、施設名、交差点名
② 道路名
③ 目的地までの距離と所要時間
1 地図の選択
道路地図には、
① 道路地図を主にしたものと観光を主にしたもの
② 折りたたみ式のものと本になったもの
③ 全国のものとブロックごとのもの
④ 縮尺の違うもの(縮尺は、目的地までの距離を調べるのに利用しましょう。)
など、いろいろな種類があります。使用目的に合わせて、なるべく新しいものを選びましょう。
2 目的地までの距離と所要時間
所要時間も入っているものもありますが、一般の地図では距離からおおよその時間を計算します。走行距離と時間のおおよその目安は次のとおりです。
・ 一般道路・・・1時間で約30km、10分で5km、2分で1km。ただし、都市部では1kmで3〜5分かかる場合あり。
・ 高速道路・・・1時間で約80km
渋滞や事故などの場合に備えて余裕を持って出発しましょう。
3 交通規制の情報
市街地の地図には、右折禁止や一方通行など交通規制の内容がわかるものもあり、正確な経路を設計するのに役立ちます。
4 高速道路、有料道路、カーフェリーの料金
料金は、一般に軽自動車、普通乗用自動車、普通貨物自動車ではそれぞれ異なります。出発の前に調べておきましょう。
5 その他の情報
地図によっては、次のような情報も知ることができます。
① 交差点の名称や信号機の有無
② 渋滞場所
③ 駐車場やガソリンスタンドの位置
④ 観光地など
Ⅱ 経路の設計の仕方
経路設計に際しては、ただ単に最短ルートを選択するだけでなく、道路工事や交通規制情報、渋滞情報などを入手して、迂(う)回路はどうなっているか高速道路や有料道路の利用をどうするかなどについても考慮した綿密な計画を立てることが大切です。
また、途中の休憩場所や分岐路付近の目標物、目的地付近の駐車場の位置、所要時間などについても調べておきましょう。
Ⅲ 案内標識等の活用
案内標識は、方面や距離のほか、国道番号や地点の名称、駐車場、インターチェンジ入り口などを知らせてくれています。
設計した経路を正確に走行するためには、常に案内標識に注意を向け、見落としのないようにすることが大切です。
① 一般道路用(青色)
② 高速道路(緑色)
③ ラジオなどの交通情報
渋滞状況や工事規制については、最新の情報を入手することが大切です。あらかじめラジオを聞いたり、インターネットや日本道路交通情報センターに問い合わせるなどして確かめておきましょう。
また、山岳地の林道や市町村道などについては、役場や警察署に問い合わせることで確かめることができます。
④ ナビゲーションシステム
人工衛星の電波や地磁気センサーなどにより、車の現在位置や進行方向、目的地までの経路や距離をテレビ画面の地図上に表示する装置です。
機種によっては、地図上で混雑状況を色分けし、そこを避けるルートを音声で案内することもできます。また、電話番号の入力だけで目的地を設定したり、インターネットに接続して、行楽地の情報を入手できたりします。これらの情報も利用しましょう。
しかし、走行中の操作や画面の注視(2秒以上見ること)は、事故の元になるだけでなく、交通違反にもなります。あくまでも安全運転を優先して使いましょう。
Ⅳ 経路を間違えた場合などの対応の仕方
前もって経路を設計しておいた場合でも、道を間違えたり、交通規制のため予定していた交差点が右折できないことなどがあります。そのようなときに、あわてて後退したり、転回(Uターン)したりすることは非常に危険です。
ひとまず、路肩など安全な場所に停止して、冷静に対応するようにしましょう。
1 間違えたり、右折禁止規制のため右折できなかった場合
経路を間違えたり、交通規制のため進みたい方向に進めなかったときは、とりあえず、進行できる方向に進み、そのあとで経路を再設計しましょう。
① 迂回(遠回り)・・・初心運転者に向いている方法です。
② 転回(Uターン)
③ 方向変換(スイッチターン)
2 道が分からなくなった場合
交番やガソリンスタンドでたずねるのが確実でしょう。
また地図に載っているような神社や学校、交差点の名称が分かれば地図で確かめられます。
3 工事や交通規制のため予定していた道が通行できない場合
工事のときは、迂回路を示した標示板があることが多いので確かめましょう。
また地図上で目標地点と現在地点が分かれば、経路を再設計することもできます。
Ⅴ ツーリング時の注意
1 ツーリングの基本
大勢のライダーが参加するツーリングは乗り慣れた人が中心となり、参加者の初心者に合わせたプランを立てることが原則で、そのポイントは次の通りです。
① 時間的にゆとりを持った計画を立てる。
② 先頭にはあまり無理をしないライダー、最後尾は運転に慣れたベテランのライダーを配置する。
③ 手による合図など、あらかじめ連絡方法を決めておく。
④ 原則として縦一列で走行する(千鳥走行、多くても4、5人)。
2 ツーリングのマナー
交通ルールを無視した走行や、他人に迷惑をかける走行は、厳につつしまなければなりません。交通社会を担う一員としての自覚と責任を持って、行動しましょう。
3 その他
① 荷物は途中で荷崩れしないように、ネットなどを使ってしっかり固定しましょう。
② 夏の暑いときは、発汗に見合った水分の補給をしましょう。
③ 体を冷やさないためや転倒時の事故防止のために、長袖の服を着用しましょう。
④ 雨具などの準備をしましょう。