ドライバー日記

世の中から交通事故を無くしたい。

仮免学科試験対策「運転者の心得」【有料級】

Ⅰ 運転者の心得

1 くるま社会人としてのモラルと責任

 車を運転するなら、正しい運転技術(第1種運転免許なら70%以上)、交通ルール(学科試験は90%以上)、正しいマナーも身につけることも必要です。「ゆずり合い」や「思いやり」こそが交通事故をなくす最重要ポイントだということを忘れずに。

 ① ゆずり合いと思いやり

  交通ルールがあっても最後は思いやりです。他人を思いやることは難しいかもしれませんが、「あの人も家に帰れば誰かの家族」と思えばそれだけで思いやりにつながるのではないでしょうか。

 ② 他人に迷惑をかけない運転

  他人は自分を映す鏡です。他人に迷惑をかけると、あとから自分に返ってきます。世の中には病気で苦しんでいる人や夜眠れない人、音に敏感な人など様々な人がいらっしゃいます。騒音や排ガスをできるだけ出さない運転を心がけましょう。

 ③ 同乗者の安全確保

  運転者には同乗者の安全に対する責任も義務付けられています。例えば同乗者がドアを開けたら、自転車とぶつかてしまった、となれば責任を問われます。同乗者が降りる際には「開ける前に後ろを見てね」など、注意をうながす必要があります。

 ④ チャイルドシートの使用

  自動車に幼児(6歳未満)を乗せるときは、その幼児の体格に合ったチャイルドシートを使用しなければなりません(義務)。(6歳以上が使用するジュニアシートというのもあるが、そちらは任意)

 ⑤ 交通違反(事故)と責任

  交通違反や事故を起こした場合には、次の3つの責任を負わなければなりません。

  刑事上の責任(懲役・禁固・罰金など)

  行政上の責任(免許の取り消し・停止など)

  民事上の責任(損害賠償)

 ⑥ 保険などの平素(普段から)の準備

  保険には強制保険(必ず入らなければならない保険)と任意保険(入っても入らなくても良い保険)があります。高額な損害賠償に備えてできるだけ、任意保険にも加入しましょう。

2 酒気帯び運転の禁止

 酒を飲ん(一滴でもダメ)で運転してはいけません。次のような運転(飲酒運転ほう助)も禁止です。

 ① 酒を飲んでいる人で、これから運転する人に車を貸すこと

 ② これから運転をする可能性のある人にお酒を出したり、飲酒をすすめること

 ③ 車の運転者が酒を飲んでいることを知りながら、自分を送るように要求したり、依頼したりして、その車に同乗すること

3 交通法令の遵守(従うこと、守ること)

 道路交通法の目的(学科試験の問題を解くときに以下に当てはまれば正しい、そうでなければ誤りとなる)

 ① 道路における危険を防止する

 ② 道路における交通の安全を図る(実現をくわだてる)

 ③ 道路における交通の円滑を(うまく滞りないように)図る

 ④ 道路の交通によって起きる障害(交通公害)の防止を図る

 

4 運転に必要な準備

 ① 車を運転するときは、あらかじめ(前もって)目的地までの距離や所要時間などを地図で確認しておきます(少なくとも2時間に1回は休憩を取りましょう)

 ② 疲労、病気、心配事があるときは運転を控えましょう(危険を認知するのに時間がかかります)

 ③ 過労のときや麻薬、覚醒剤、シンナー等の影響を受けているときは運転してはいけません。また睡眠作用のあるかぜ薬、鎮痛剤などを飲んだときも運転を控えましょう。

 ④ 4輪車の場合、運転に適した(操作に支障のない)服装をしましょう。下駄やハイヒールなどを履いて運転してはいけません(ブレーキ操作に支障が出る)。

   2輪車を運転する場合は、乗車用ヘルメット(PSマーク、JISマークまたはSマークの付いたもの)を着用。服装は身体の露出を少なくし、運転者の目に付きやすいもの(明るく・目立つ。色付き)を着る。夜間は反射材を活用する。

 ⑤ 自動車や原動機付自転車を運転しようとするときは、運転しようとする車に応じた運転免許証を携帯しなければなりません(免許証不携帯となり違反となります)。

 ⑥ 自動車は有効な自動車検査証(車検証)

 ⑦ 自動車や原動機付自転車有効な自動車損害賠償責任保険自賠責)や責任共済証明書を(車内に)備え付けておくこと(コピーは不可)。

 ⑧ 発煙筒や赤色懐中電灯などの非常信号用具や高速道路を利用するときは、停止表示器材(停止表示板、停止表示灯)を備え付けておくこと

 ⑨ 運転中に携帯電話(スマートフォンを含む)を使用したり、カーナビゲーション装置に表示された画像を注視して(2秒以上見つめて)はいけません。しかし、ハンズフリー(手に持たずに通話できる装置)や傷病者の救護、公共性のある安全の維持等やむを得ない(どうしようもない)場合を除きます。

 ⑩ 2輪車を選ぶときは、自分の体格に合ったものを選ぶようにしましょう

  ・平地でセンタースタンド(駐車用)を楽に立てられること

  ・またがったとき、両足のつま先が地面に届く(バイクの重量は200キログラム以上のものもある)

  ・8の字に押して歩くこと(とりまわし)ができる(動かなくなった場合を想定)

  ・体力に自身があってもいきなり大型の2輪車に乗るのは危険。最初は小型のものからはじめて熟練度に応じて大きさを選ぶ(そのほうが上達が早い)

Ⅱ 認知・判断・操作

 自動車を運転するときは、次々と変化する交通の状況をすばやく認知し(見て・聞いて)、適切な判断をし(考え)て、操作(行動)することが大切です。交通事故原因の半数が認知ミスによるものです。

本免学科試験対策9【有料級】「人間の能力と運転」

Ⅰ 認知・判断・操作

1 認知・判断・操作

 運転者が走行中にブレーキをかけるときは、まず、目や耳で障害物を認知し、ブレーキをかけるべきだと判断してから、操作に移ります。

 この認知→判断→操作の過程には多少の時間がかかります

 短時間のうちにすべての情報(障害物など)をとるのは難しいことです。

 また、車の走行速度や障害物の距離などを判断するときは、自分の判断が実際の速度と距離とは異なることがあるので注意しましょう。

 さらに周囲や運転者本人の条件が悪くなると、正確に判断することはいっそう困難になります。

 このように、人間の能力には限界があることをよく知ったうえで、運転することが大切です。

2 反応時間

 運転者が危険を認めてからブレーキをかけ、ブレーキがきき始めるまでには1秒くらいかかると言われています。これを反応時間といいます。

 1秒間に走る距離は、速度が速ければ速いほど長くなり、障害物を避けることは難しくなるので、速度は控えめに、ブレーキは早めにかけるようにしましょう。

 反応時間の3段階

 反射時間+踏み替え時間+踏み込み時間=約1秒 

 

3 視覚の働き

 車を運転するときはさまざまな体の働きを使わなければなりません。特に目から入ってくる情報に頼る割合が高く、視覚の働きは最も大切です。

 ① 視力

  a 視力

   視力は普通、万国式視力表を使って測定します。しかしこれは1点を注視したときの視力ですから、注視点から離れたところの視力は測定視力よりも低下します。

  したがって運転中は、1点だけを注視(2秒以上見ること)しないで、必要に応じてたえず目を動かし、まんべんなく注意を払わなければなりません。特に速度が速くなると、遠方の情報まで的確に取る必要があります。常に情報を先取りすることを心がけましょう。

  b 動体視力

   動きながら物を見る場合、または動いている物を見るときの場合の視力を動体視力といいます。動体視力は静止したまま静止したものを見るときの視力(静止視力)に比べて低くなります(約1/2以下)。したがって、速度が速くなると視力が低下し、それだけ危険な状況の発見が遅れることになります。

 ② 視野

  a 視野 

   人が目の位置を変えずに見渡せる範囲を視野といいます。普通、静止時の視野は、片目で左右それぞれ160度くらい、両目なら200度くらいです。

   このうち色彩を完全に確認できるのはさらに狭く、左右それぞれ35度付近までで、そこから外側になるほど、色彩を正確に確認できなくなります。したがって、信号や標識などはよく見ないと、見間違えるおそれがあります。

  b 視野と速度の関係

   車の速度が早くなるほど、運転者の視野は狭くなり、遠くを注視するようになるために、近くは見えにくくなります

   したがって、速度を出しすぎると近くから飛び出ew345erftgty8/.\\してくる歩行者や自転車などを見落としやすくなるので注意しましょう。

 ③ 順応

  暗いところから急に明るいところへ出ると、最初はまぶしくてよく見えませんが、しばらくすると目が慣れて通常通り見えるようになります。これを明順応といいます。

  反対に明るいところから急に暗いところへ入ったときも、最初は何も見えませんが、やがて少しずつ見えるようになります。これを暗順応といいます。暗順応のほうが明順応より時間がかかります。トンネルの出入り口を走行するときなどは、速度を落として慎重に運転しなければなりません。

4 距離と速度の判断

 運転者は走行中、ほかの車や障害物との距離を自分なりに判断し、時には速度計を見ずに走行中の速度を判断することもあります。

 しかし、人間の判断は必ずしも正確ではなく、錯覚を生ずることもあるので、距離や速度を判断するときは、カンに頼らず速度計を見て速度を確認する習慣をつけましょう。

 特に高速道路から一般道路に出たときは、速度超過になりがちなので注意が必要です。さらに、道路上のさまざまな条件が変化すると、速度や距離に対する判断の誤差はいっそう大きくなります。

 ① 夜間・・・周囲が暗くて見えにくいため、距離についての判断が狂う。また他車のライトを頼りにして、自分の車からの距離や他車の速度を判断すると、正確でない時がある。

 ② 高速道路・・・周囲が開けているため、実際の速度より遅く感じる。

 ③ 車の大きさ・・・同じ距離であっても大きい車近く、小さい車は遠くに感じる。

2 認知・判断・操作に影響を及ぼす要因

 認知・判断・操作に影響を及ぼし、反応時間を長引かせるなどの好ましくない結果のもととなる要因には、さまざまなものがあります。

 これらの要因は飲酒や疲労のように、前もって予防できるものもあります。

 ① 飲酒

  a 飲酒が及ぼす影響

   お酒を飲んだときの判断には個人差があります。また、お酒を飲むと一時的に緊張がとけて気分が高揚するので、頭が冴えたように錯覚することもあります。

   しかし、実際にはアルコールは確実に脳の働きを鈍らせます。物事を冷静に判断したり、論理的に考えることができなくなります。

   お酒を飲んだ後に車を運転すると、判断力や自制心が鈍るために、的確な操作をすることができなくなります。

   また視覚の働きが低下したり、距離や速度などの判断が狂うといったさまざまな悪影響が現れます。

 

  b 飲酒運転の恐ろしさ

  飲酒運転は、死亡事故などの重大な交通事故を引き起こします。お酒を飲んでから時間が経ったので、運転してもいいだろうと安易に考えることは大変危険です。

  少しでもお酒を飲んだときは、絶対に運転してはいけません。また、運転する予定のある人にお酒を勧めたり、飲ませてはいけません。

 ② 疲労

  a 疲労の原因

   運転中に疲労を感じるような場合には、次のような原因が考えられます。

   (a)睡眠不足などで生活リズムが乱れている。

   (b)高齢であったり運転経験が短い。また疲れやすさにも個人差があり、疲れやすい人もいます。

   (c)時刻、気温、道路の状況や走行距離、車内の環境などの条件によって疲れやすいこともある。

  b 疲労が及ぼす影響

   疲れた状態は、あくび、居眠りというかたちで現れたり、反応が遅くなるなどの変化が見られます。

   目に見えない変化としては、心拍数が増加したり、血圧が上昇します。少しでも眠気などの変化を感じたら、なるべく早めに休息をとることが必要です。

  C 過労運転を避ける方法

   極度に疲れた状態で車を運転することのないように、次の点に注意しましょう。

   (a)睡眠を十分にとり、体調を整えて心身ともに健康な状態で運転する。体調が悪いときや精神状態が不安定なときは運転しない

   (b)前もってゆとりのある運転計画を立て、長時間続けて運転しないようにし、少なくとも2時間に1回は休息を取る。

   (c)疲れを感じた場合は無理をせず、早めに安全な場所に駐車し、仮眠を取ったり軽い運動をする(仮眠した直後の運転は危険です)。

 ③ その他の要因

  運転者の体や精神の状態がよくないときは、反応が遅れたり、反応時間にムラが生じたりします。以下のような場合に注意しましょう。

  a 心身の状態

   かぜや病気で体の調子が悪い時、精神状態がよくないとき、また気分が浮かれているときは反応時間が長くなったり、不規則になったりします。

  b 病気と薬

   高血圧症、低血圧症、糖尿病など意識障害がいつ起きるか分からない病気やめまい、立ちくらみ、耳鳴り目のかすみなどの自立神経の失調や平衡感覚の障害を伴う病気を持つ場合は、反応時間が長くなる場合があります。

   また、かぜ薬などの抗ヒスタミン剤精神安定剤などの多くは反応時間を長引かせる原因になります。

  C 年齢

   一般に年を取るほど反応時間は長くなります。視力や聴力などが衰え、反射神経や筋力も低下します。

  d その他

   ぼんやり運転、運転経験の不足なども反応を遅らせる原因にもなります。

 

本免学科試験対策1【有料級】「死角と運転」

 死角(運転席から見えない部分)と運転

1 二輪車から、四輪車の見え方

 四輪の運転者は、二輪の運転者を軽視する(軽く見る)傾向があります(二輪車は残念ながらマイナーな乗り物です。四輪運転者の中には、原動機付自転車と同じような速度と思っている方もいますが、実際は四輪よりも車が軽いので、スポーツカーよりも速度が出ます)。また、車体が小さいために、見落とされたり、距離感を見誤る傾向があります。

二輪運転者の注意点

 ・四輪車の死角(運転席から見えない部分)に入らないようにします

 ・必要な距離を確保するなど、四輪運転者が気づきやすい位置を走行します。

 ・右後方の交通状況を十分確かめます(二輪車にも当然死角があります)。

四輪運転者の注意点

 ・二輪車も同じく簡単には停止できません(停止距離)。

 ・二輪車は死角(運転席から見ない部分)に入りやすく、その存在に気づきにくいので進路変更などをするときは十分安全確認をします。

 ・二輪車は車体が小さいため、速度が遅く感じたり、距離が実際より遠くに見えたりします

2 死角(しかく)の事例

 無事故運転者は、死角となっているところに危険がないかを探り、常に慎重な運転をしています。しかし、事故を起こした運転者のいいわけを聞くと、

 ① 駐車車両のかげに歩行者がいるとは思わなかった

 ② カーブで対向車が来るとは思わなかった

 ③ 交差点で右方(右)から車が来るとは思わなかった

 など、危険を予測せず先入観で他の交通はないものと自分勝手な判断をしています。視野に入らない交通、今見えていない交通にも注意を向け、本当に予測すべき交通がないのか十分に確認する必要があります(~かもしれない運転)。

3 自動車自体の死角

 すべての自動車には死角(運転席から見えない部分)があります。車体が大きくなればなるほど死角は増えます。運転席に座る前に死角になる部分を確かめてから乗車するようにしましょう。

4 駐車車両がつくる死角

 ① 駐停車車両には必ず死角となる部分があります。特に両側に駐停車車両がある場合は、両側に死角ができ、歩行者の発見も困難になります。運転者な両側に注意を払わなければなりません。

 ② 連続して駐停車車両がある場合、死角となる部分が広範囲に増え、危険度も高くなります。

 ③ 幼児は身長が低いために、死角に入りやすくなります(特に後退時は、後退する前に後方の安全を確かめ、窓を開けて耳でも確認する)。

5 交差点での死角

 ① 左方向の死角

  特に二輪運転者は左に寄って走行しやすいので、左方向から来る車の発見が遅れる状況にあります。

  見通しの悪い交差点では、必要に応じて一時停止や徐行(義務)かつ窓を開けるなど、安全を十分に確かめてから進行しましょう。

 ② 右折車の死角

  交差点で右折する場合、対向車のかげに死角ができ、死角の中にいる二輪車に気づかない場合があります(右直事故や直右事故)。

 ③ ショートカット(省略)走行による死角

  交差点を右折する場合、ショートカット走行をすると右方向の死角を大きくし、危険性が高くなります。交差点の中心のすぐ内側(直近の内側)を徐行します

6 カーブがつくる死角

 見通しの悪いカーブほど死角部分が広範囲になります。また、同じカーブでも障害物があるかどうかで死角の範囲が広範囲になります。追い越しはやめましょう。

7 防衛的運転方法(自分の身を守る)

 ① 危険に備えた速度

  万が一に備え、危険に対応できる速度で走りましょう。

 ② 適切な走行ポジション(位置取り)

  相手からも見えやすい位置を走りましょう。

8 車両間の意思疎通の方法

 使い方が本来の意味とは異なります。

 ① 交差点でのパッシング(ライトの明滅)

  速度や状況によって、行かせてもらえるのか(譲っているのか)、対向車が先に通り過ぎるのか、意味が異なるので、十分に確かめましょう。

 ② ハザードランプ非常点滅表示灯)の点灯

  高速道路などでは、後続車に渋滞を知らせるときに使用します。また道を譲ってもらったときに、感謝を表すために使用することがあります。

 ③ 単路での左ウィンカー

  「先に行ってください」の意味があります。対向車に十分に注意して追い越しましょう。

 ④ 前照灯の切り替え

  夜間など見通しの悪い交差点を通過するときに、低速にしながら前照灯の切り替えを行うことで、相手に自分の存在を知らせます。また狭い道などで道を譲る場合に消灯する場合があります。場所や状況を考えて通行しましょう。

本免学科試験対策【有料級】「二輪車の特性、乗車姿勢と走行の仕方」

二輪車の特性、乗車姿勢と走行の仕方

1 二輪車の特性

 二輪車は、体で安定を保ちながら走り、停止すれば安定を失うという構造上の特性を持っています。

 ① 重心と安定性

  人が二輪車に乗ると、人車一体(じんしゃいったい)の重心ができます。この人車一体の重心からの重力と遠心力を合わせた力がタイヤの接地点にある状態にあるとき、二輪車の安定走行が可能です。したがって、人車一体の重心が一方に片寄るとハンドルを取られたり、ゆるいカーブで転倒したりします。

 ② 乗車姿勢と操縦性

  安定して走行するためには、車の変化に合わせて重心を移動させることです。上り坂では前輪の浮き上がりを防ぐため、前傾姿勢を取り、重心を前に移動します。反対に下り坂では、腰を引いて腕を伸ばし、後ろに重心を移動します。

  悪路では中腰姿勢を取り車の変化に合わせて、重心の移動をスムーズにします。

 ③ AT(オートマチック・トランスミッション二輪車の特性

 ・スクータータイプの二輪車ホイールベース(前輪の接地面と後輪の接地面の間隔)がMT(マニュアル・トランスミッション二輪車のそれと比較して長いので、小回りが難しくニーグリップ(燃料タンクを両ひざで挟むこと)ができないので、安定した運転姿勢を維持しにくい。

 ・AT二輪車の大半で採用されているCVT(無段変速装置)は低速時に、エンジンの動力がタイヤに伝わりにくいので転倒しやすく、エンジンブレーキ(アクセル・グリップをゆるめることで、ブレーキが掛かったように遅くなること)が弱い。

 ・急激なアクセル・グリップの操作は急発進につながり危険。

 

2 正しい乗車姿勢

 正しい乗車姿勢をとることが、走行中の重心を安定させる秘けつです。運転しやすい正しい乗車姿勢をとりましょう。

【MT二輪車

 ① 背筋を伸ばし視線は先の方に向ける。

 ② 手首を下げて、ハンドルを前に押すようなつもりでアクセル・グリップを軽く握る。

 ③ 肩の余分な力を抜き、ひじをわずかに曲げる

 ④ ステップに土踏まずを乗せて、足の裏が地面にほぼ水平となるようにする。また足先はまっすぐか、ハの字になるように前方に向けて、燃料タンクを両ひざではさむ(ニーグリップ)。

 【AT二輪車

 ① 両肩および背筋の余分な力を抜き、視線は前方に向ける。

 ② 両腕の余分な力を抜き、ひじにゆとりをもたせる。

 ③ 手はアクセル・グリップの中央を持ち、手首に角度を持たせる。

 ④ 前過ぎたり、後ろ過ぎたりしないようにシートに着座する。

 ⑤ ひざが外に開かないように、自然に曲げる。

 ⑥ ステップボードから足がはみ出さないように乗せ、足先をまっすぐ向ける。

【車種の選び方】

 ① 二輪車を選ぶときは、体格に合った車種を選ぶようにし次のことができるようにしましょう。

 ・平地でセンタースタンドを立てることが楽にできること。

 ・二輪車にまたがったとき、両足のつま先が地面に届くこと。

 ・8の字に押して歩くこと(とりまわし)が完全にできること。

 ② 二人乗りをするときは、後部座席にゆとりのあるものを選びましょう。

Ⅲ 走行のしかた

1 走行位置のとり方

 二輪車は、速度が低く、遠くにいるように感じられ、また、見落とされやすいので四輪車の死角に入らない位置を選んで走行しましょう。

 また二輪車は転倒を避けるために、道路の凹凸や障害物を避けて走行するため、

 ・走行車線上の近くを見る傾向がある。

 ・道路の左側前方を注視する(2秒以上見る)傾向がある。

など、四輪運転中に比べて視界が狭くなりがちです。意識して遠くの前方を視野に入れるように心がけましょう。さらに、運転中に比べて後方の情報を取る量が少なくなりますので、積極的に後方の情報を取りましょう。

2 カーブ走行の仕方

 ① カーブに近づくときは、その手前の直線部分であらかじめ速度を落とし、カーブの途中では、クラッチ(動力)を切らないで、車輪にエンジンの力をかけて走行しましょう。

 ② 曲がるときはハンドルを切るのではなく、車体を傾ける(バンクさせる)ことによって自然に曲がるようにしましょう。

 ③ 曲がり角やカーブでは追い越しをしてはいけません。

Ⅳ 二人乗りをする時の心得

 二人乗りをするときは一人乗りの運転に習熟してからするようにしましょう。

1 二人乗りの運転特性

 ① 重量が増える分、加速力は小さくなり、遠心力や慣性力は大きくなる、また、重心は後方へ移動し高くなる。

 ② 運転者と同乗車が一体とならないと転倒のリスクが高くなります。加速時には後ろに引っ張られるようになり、急な減速時には前に押し出されるような動きになります。また、カーブを曲がるときは傾きを同乗者が恐れて体を起こし、また急激に倒しこむような動きをすることがあるので、乗せる前にアドバイスをしましょう。

2 二人乗りの禁止

 次の場合には二人乗りをしてはいけません。

 ① 大型自動二輪車普通自動二輪車で後部座席が無いものや、原動機付自転車を運転するとき。

 ② 大型自動二輪免許を受けて1年を経過していない者が、大型自動二輪車または普通自動二輪車を運転するとき。ただし、普通二輪免許を受けて1年経過している場合は二人乗りをすることができます。

 ③ 普通二輪免許を受けて1年を経過していない者が普通自動二輪車を運転するとき

 ④ 大型二輪免許を受けた者で、20歳未満の者または、大型二輪免許を受けていた期間が3年未満の者が、高速道路で大型自動2輪車または普通自動二輪車を運転するとき。ただし、20歳以上でかつ、普通二輪免許を受けていた期間が3年を経過している場合は、二人乗りをすることができます。

 ⑤ 普通二輪免許を受けた者で、20歳未満の者または、普通二輪免許を受けていた期間が3年未満の者が、高速道路で普通自動二輪車を運転するとき。

Ⅴ 速度と衝撃力

 交通事故の大きさは、車が衝突したときに相手に与えたり、自分が受けたりする衝撃力の大きさに関係します。

 衝撃力は速度と重量に応じて大きくなり、また、固いものに瞬間的にぶつかるほど衝撃力は大きくなります。例えば、時速60キロメートルでコンクリートの壁の衝突したときは、約14メートルの高さ(ビルの5階程度)から落ちた時と同じ程度の衝撃力を受けます。

 車が衝突すると、運動エネルギーによって、その車や衝突した相手の物を破壊したり、跳ね飛ばしたりします。この運動エネルギーは、車の速度の2乗に比例して大きくなるので、速度が高ければ高いほど衝突による被害は大きくなります。

 高速道路を運転するときは特に注意しましょう。

 

本免学科試験対策5【有料級】「駐車と停車」

Ⅰ 駐車と停車の意味

1 駐車の意義 駐車とは、

 ① 車(主に自動車・軽車両・原動機付自転車)が継続的に(ずっと)停止すること

 ② 運転者が車から離れていてすぐに運転できない状態で停止すること

  ・(タクシーなどの)客待ち、(迎えの)人待ち

  ・5分を超える荷物の積み降ろし

  ・故障

  ・電話ボックスでの電話など、すぐに運転できない状態での停止

2 停車の意義 停車とは駐車以外の短時間の停止のことをいいます。

  ・人の乗り降り

  ・5分以内の荷物の積み降ろし

  ・すぐに運転できる状態での短時間の停止

Ⅱ 駐車、停車の禁止と例外

1 駐車、停車禁止の必要性

 違法な駐停車は、付近の交通を混雑させるとともに、道路の見通しを悪くするため、飛び出し事故などの原因になります。また、パトカーや消防車など緊急自動車の通行を妨げるおそれもあります。駐停車しようとする場合には、必ず駐停車できる場所であることを確認しましょう。

2 駐停車禁止の場所

 次の場所では、駐車も停車もしてはいけません。ただし、赤信号や危険防止のため一時停止する場合などは別です。

① 駐停車禁止の標識(「バツ」のデザイン)や標示のある場所

② 軌道敷内

③ 坂の頂上付近と勾配(10%以上)の急な坂(上り、下りすべて)

④ トンネル

⑤ 交差点とその端から5メートル以内の場所

⑥ 道路の曲がり角から5メートル以内の場所

⑦ 横断歩道と自転車横断帯とその端から前後5メートル以内の場所

⑧ 踏切とその端から前後10メートル以内

⑨ 安全地帯の左側とその前後10メートル以内の場所

⑩ バス、路面電車の停留所の標示板(標示柱)から10メートル以内の場所(運行時間中に限る)

【覚え方】

メートル・・・コ(交)マ(曲)ヨコ(横)

        コに濁点をつければゴ(5)となり、5メートルを連想。

10メートル・・・フ(踏)アン(安)テイ(停)

        ンテをひっくり返すとテン(10)となり、10メートルを連想。

キサカトンネル・・・キ(軌)サカ(坂)トンネル

ちなみに、5メートルは自動車の長さ、10メートルはバスの長さです。

3 駐車禁止(停車はできる)の場所

 次の場所では駐車してはいけません。しかし、警察署長の許可を受けたときは別です。

① 標識(Noのデザイン)や標示によって駐車が禁止されている場所

② 災報知器からメートル以内の場所(人がボタンを押せれば良いので1m)

③ 駐車場、車庫などの自動車専用の出入口からメートル以内の場所

④ 道路事の区域の端からメートル以内の場所

⑤ 防用機械器具の置き場、防用防火水そう、これらの道路に接する出入口から5メートル以内の場所

⑥ 火栓、指定防水利の標識が設けられている位置や防用防火水そうの取り入れ口から5メートル以内の場所

【覚え方】

「一家 サンデー GO交渉」・・・1火3出5工・消

 

4 無余地駐車禁止とその例外

 駐車する場合、車の右側の道路上に3.5メートル以上の余地がなくなる場所では駐車してはいけません。また標識により余地が指定されているときには、その余地がとれない場所では駐車してはいけません。

 しかし、次の場合は駐車できます。

 ① 物の積み下ろしで運転者がすぐ運転できるとき

 ② 病者の救護のためやむを得ないとき

【覚え方】

 「産後は小児科」・・・3.5は傷荷可

5 標識による駐停車可

 駐停車や駐車が禁止されている場所であっても、標識により特に認められている場合は、駐車や停車ができます。(指示標識駐車可停車可

Ⅲ 駐車と停車の方法

 駐車や停車は次の方法でしなければなりません。

 ① 歩道や路側帯のない道路では、道路の左端に沿うこと。

 ② 歩道のある道路では、車道の左端に沿うこと。

 ③ 路側帯のある道路では、路側帯の幅が0.75メートル以下の場合は、車道の左端に沿うこと。

 ④ 路側帯の幅が広い場合には、路側帯に入って車の左側に0.75メートル以上の余地を空けること。

 ⑤ 実線と破線の路側帯(駐停車禁止路側帯)、2本とも実線の路側帯(歩行者用路側帯)は車道の左端に沿うこと。

 ⑥ 高速道路で故障などのためやむを得ず駐停車する場合は、路側帯に入って、道路の左端に沿うこと。

 ⑦ 道路の並行して駐停車している車と並んで駐停車しないこと(二重駐停車禁止

 ⑧ 標識や標示により駐停車の方法が指定されているときは、その方法に従うこと。

0.75の意味・・・車いすの幅が0.7メートルなので、車いすが通行できるようにするため】

 

Ⅳ 駐車時間の制限など

1 長時間駐車の禁止

 ① 道路を車庫がわりに使用してはいけません。

 ② 道路上に駐車する場合、同じ場所に引き続き12時間夜間は8時間)以上駐車してはいけません(特定の村の区域を除きます)。

2 時間制限駐車区間における駐車の方法など

 ① 時間制限駐車区間での駐車

  都市部においては、多くの場合駐車が禁止されていますから、パーキングメーターやパーキングチケット発給設備のある場所(時間制限駐車区間)で手数料を支払って駐車する場合のほかは、道路上での駐車は原則としてできません。

 ② パーキング・メーターなどのある場所での駐車方法

  パーキング・メーターなどがある場所で駐車するときは、次のようにしなければなりません。

 ・ パーキング・メーターがある時間制限駐車区間で駐車するときは、パーキング・メーターを直ちに作動させること。

 ・ パーキング・チケット発給設備のある時間制限駐車区間で駐車するときは、パーキング・チケット発給設備からパーキング・チケットの発給を直ちに受け、駐車している間、これを車の前面の見えやすい場所(フロントガラスのある車では、その内側)に掲示すること。

 ・ 時間制限駐車区間では、パーキング・メーターが車を感知したとき、またはパーキング・チケットの発給を受けた時から、標識によって表示されている時間を超えて駐車しないこと。

3 高齢運転者等専用車等での駐車と停車

 ① 駐車や停車が禁止されている場所であっても、標識により標章車に限り駐車や停車が認められている場所(高齢運転者等専用場所)では、専用場所駐車標章に登録(車両)番号が記載されている普通自動車のみが駐車や停車ができます。

 ② 標識により標章車に限り駐車が認められている時間制限駐車区間(高齢運転者等専用時間制限駐車区間)では、専用場所駐車標章に登録(車両)番号が記載されている普通自動車のみが駐車できます。

 ③ 専用場所駐車標章は、普通自動車は運転することができる免許を受けた者で、次に当たる者に限り、公安委員会に申請して交付を受けることができます。

 ・70歳以上の高齢運転者

 ・両耳の聴力が補聴器を用いても10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえない程度の聴力障がいのあることを理由に、免許に条件を付されている運転者

 ・肢体不自由であることを理由に免許に条件を付されている運転者

 ・妊娠中または出産後8週間以内の運転者

 ④ 高齢運転者等専用場所または高齢運転者等専用時間制限駐車区間で駐車や停車をしている間、専用場所駐車標章を普通自動車前面の見やすい場所(フロントガラスのある普通自動車ではその内側)に掲示しなければなりません。

 ⑤ 高齢運転者等専用場所または高齢運転者等専用時間制限駐車区間では、公安委員から専用場所駐車標章の交付を受けていない者は、駐車や停車をしてはいけません。

4 違法駐車に対する措置

 ① 車の移動など

  ・違法に駐車している車の運転者やその車の管理について責任がある者は、現場で警察官や交通巡視員からその車を移動するように命令されたときは、ただちに移動しなければなりません。

  ・違法に駐車している車については、現場に運転者やその車の管理について責任がある者がいないために、警察官や交通巡視員がその車を移動すべきことを命令することができないときは、レッカー車により移動されることがあります。この場合の車の移動、保管などに要した費用は、車の運転者、使用者、所有車などの負担になります。

 ② 放置車両確認標章

  ・違法に駐車している車に対して、放置車両確認標章が取り付けられることがあります。放置車両確認標章を取り付けられた車の使用車は、公安委員会から放置違反金の納付を命ぜられることがあります。

  ・放置車両確認標章を取り付けられた車は、運転するときは交通事故防止のため、放置車両確認標章を取り除くことができます。

  ・取り除くことができる者は、標章を取り付けられた車の使用者(車検証に記載されている)、運転者やその車の管理について責任がある者です。それ以外の者は標章を破ったり、汚したり、取り除いてはいけません。

Ⅴ 車から離れる時の措置

1 危険防止のための措置

 ① 4輪車の場合

  車から離れるときは、車が暴走しないように次の措置を取らなければなりません。

 ・ハンド(駐車)ブレーキをかけ、エンジンを止めること

 ・ギア(マニュアル車)は平地や下り坂ではバック(R)、上り坂では(ロー)に入れておくこと。オートマチック車は場所に関係なくP(パーキング)に入れておくこと。

 ・坂道では輪止めをしておくこと

 ② 2輪車の場合

  二輪車から離れるときは、二輪車が暴走しないように次の措置を取らなければなりません。

 ・固い平坦な場所を選ぶ

 ・エンジンを止める

 ・センタースタンドを立てる

 ・エンジンキーを抜く

2 盗難防止のための措置

 盗難車が犯罪に使用される例が多く見られます。車から離れるときは車を盗まれないように次のような措置を取らなければなりせん。

 ① 4輪車の場合

  ・エンジンを止め、キーを抜く

  ・窓を確実に閉め、ドアをロックする

  ・ハンドル施錠措置などがあれば盗難防止措置を作動させる

  ・貴重品が外から見えないように、トランクなどに入れる

 ② 2輪車の場合

  ・ハンドルをロックし、キーを抜く

  ・車輪ロック装置などを使い施錠する

Ⅵ 保管場所の確保

1 保管場所の確保

 自動車の保有者は(大型自動2輪車、普通自動車2輪車を除く)、住所など自動車の使用者の本拠の位置から2キロメートル以内の道路以外の場所に自動車の保管場所を確保しなければなりません。

2 保管場所標章

 自動車の保有者が保管場所証明書の交付を受けたときや、軽自動車の保管場所の届け出をしたときは、警察署長の交付する保管場所標章を自動車の後面ガラスなどに表示しなければなりません。

Ⅶ 駐車の及ぼす影響

 たとえ駐車禁止の場所でなくても、路上駐車は他の交通の流れの妨げとなり、飛び出し事故などの危険を生じさせます。また、パトカーや消防車など緊急自動車、路線バスの通行を妨げたりします。

 駐車場があれば駐車場を利用するようにしましょう。やむを得ず道路に駐車する場合は、その場所が駐停車禁止場所でないか、安全が確保できるか、正常な交通の妨げとなっていないかを確認しましょう。

 

仮免学科試験対策「交差点の通行」【有料級】

 交差点やその付近は交通事故が最も起きやすい場所(交通事故の約半数、市街地だと約6割が交差点やその付近)です。交通事故に遭(あ)わないためにも、正しい通行方法を理解しましょう。出題率も高めです。

1 交差点とは?その付近とは?

 交差点とは、車道と車道が交わる最も事故の起きやすい場所です。横断歩道がある交差点では、横断歩道に囲まれた部分です。

 その付近とは、交差点から約30メートル部分を指します。

2 交差点の左折

  左折しようとする時は、あらかじめ(交差点の30メートル手前までに)できるだけ(※内輪差を考慮しながら)道路の左に寄り、交差点の側端(角)に沿って徐行(車がすぐに停止できるような速度で進行)しながら通行しなければなりません。

 ※内輪差とは・・・車が右折や左折をする場合に前輪よりも後輪が内側を通ることによる前輪と後輪の軌跡(通った跡)の差。普通乗用車で約1メートル。車が大きくなればかなるほど、内輪差も大きくなる。つまり、あらかじめできるだけ道路の左端約1メートルまで寄せる(2輪車の巻き込み防止措置をする)必要がある。

3 交差点の右折

 右折をしようとする時は、あらかじめ(交差点の30メートル手前までに)できるだけ(中央線をはみ出さない程度に)道路の中央に寄り、交差点のすぐ(直近の)内側を徐行(すぐに停止できるような速度で進行)しながら通行しなければなりません。ただし、原動機付自転車が2段階の右折方法により右折しようとする場合は別です。

4 直進車、左折車の優先

 右折しようとする場合に、その交差点で直進か左折をする車や路面電車があるときは自分の車が先に入っていても、その進行を妨げて(急ブレーキや急ハンドルを掛けさせてしまうような邪魔をして)はいけません。

 

5 交差点の進入禁止

 標識によって直進や左折などの進行方向が指定されている交差点では、その指定された方向にしか進行してはいけません。前方の交通が混雑しているため交差点内で止まってしまい、交差する方向の車の交通を妨げる(急ブレーキや急ハンドルを掛けさせてしまうような邪魔をしてしまう)おそれ(心配)のあるときは、前方の信号が青でも交差点に入ってはいけません

6 交通整理の行われていない(信号機のない)交差点での通行方法

 交差する道路が優先道路である(標識や標示で指定されている場合や100%道幅が広い)ときは徐行するとともに、交差する道路を通行する車や路面電車の通行を妨げて(急ブレーキや急ハンドルを掛けさせてしまうような邪魔をして)はいけません。

 道幅が同じような(誰に聞いても同じような)道路の交差点では、路面電車左からくる車があるときは、その路面電車や車の進行を妨げて(急ブレーキや急ハンドルで避けさせてしまうような邪魔して)はいけません。「左方優先(さほうゆうせん)」

 「一時停止」の標識があるときは、停止線の直前(停止線がない時は交差点の直前)で一時停止をするとともに、交差する道路を通行する路面電車や車の進行を妨げて(急ブレーキや急ハンドルで避けさせてしまうような邪魔をして)はいけません。進行方向に赤色の点滅信号があるときも同じです。

 進行方向に黄の点滅信号があるときは、ほかの交通に注意して進行することができます(注意すれば徐行しなくてもよい)。

 

仮免学科試験対策「安全な速度と車間距離」【有料級】

Ⅰ 最高速度

 1 最高速度の順守

 車は法定速度(法令で定められた最高速度)及び規制速度(標識や標示で指定された最高速度)を超えて運転してはいけません。

 2 法定速度

 標識や標示で指定されていないときは、車の種類によって定められている速度(法定速度)を超えて運転してはいけません。自動車はすべて時速60キロ、原動機付自転車(ミニバイク)は時速30キロ。

 車の構造上、時速15キロ以上出せない自動車、他の車をロープやクレーンで牽引(けんいん)しているため、最高速度が指定されている場合があります。車両総重量(車+人+荷物)2,000kg以下の車をその3倍の6,000kg以上の車でロープやクレーンで牽引(けんいん)する場合の法定速度は、時速40キロ。

 2,000kg超の車を牽引する場合や3倍未満の同程度の車で牽引する場合は、原動機付自転車と同じ時速30キロ。総排気量125ccの自動二輪車原動機付自転車でリヤカーを牽引(けんいん)する場合は時速25キロ。

 3 規制速度

 ① 自動車を運転する場合は、標識や標示によって示されている最高速度を超えて運転してはいけません。

 ② 原動機付自転車を運転する場合は、時速30キロを超えて運転してはいけません。標識や標示をによって、時速30キロ以下の最高速度が示されているときは、その最高速度を超えて運転してはいけません。

 ③ 補助標識(通常、本標識の下に取り付けられる標識)により特定の種類の車両に限って、最高速度が指定されている場合はその種類の車両はその速度を超えて運転してはいけません。

 

Ⅱ 速度と停止距離

 1 車は急に止まれません。車が停止するためには、運転者が危険を感じブレーキを掛け、ブレーキが実際に利きはじめるまでの間に車が走る距離(空走距離)とブレーキが利きはじめてから車が停止するまでの距離(制動距離)とを合わせた距離(停止距離)を必要とします。

 2 (運転者が正常な状態の場合は1秒くらいの時間が掛かるが)運転者が疲れているときは、危険を認知して判断するまでに時間がかかるので、空走距離は長くなります。また雨に濡れた道路や重い荷物を積んでいるときは制動距離が長くなります。

 3 路面が雨に濡れタイヤがすり減っている場合の停止距離は、乾燥した路面でタイヤがよい状態に比べて2倍程度に伸びる場合があります。 また下り坂では勾配の度合いによって、停止距離が長くなります。

 

Ⅲ 安全な速度と車間距離

 決められた速度の範囲内であっても、道路や交通の状況、天候や視界などをよく考えて、安全な速度で走りましょう。また、天候、路面やタイヤの状態、荷物の重さを考え、前の車が急に停止しても追突しないような安全な車間距離をとらなければなりません。(一般道路の場合は、時速の数字から15を引いた数字以上の車間距離を空けます。例えば時速60キロなら、60−15=45なので45メートル以上というように。ただし、路面やタイヤ、運転者の状態がよい場合です。)

Ⅳ ブレーキのかけ方

 1 4輪車の場合

 ① 最初はできるだけ軽く踏み込み、それから必要な強さまで徐々に踏み込んでいきます。(ブレーキペダルのあそびの部分を意識して踏みます)

 ② ブレーキを数回に分けて踏みましょう、道路が滑りやすいときに効果的です。また、ブレーキランプが点滅するので後続車への合図となり、追突防止に役立ちます(ポンピングブレーキ)。

 ③ 雪道などのスリップが予測されるような道路では、急ブレーキを掛けることのないよう、十分な車間距離を空けましょう。

 2 2輪車の場合

 ① ブレーキのかけ方には次の3つがあります

  前輪ブレーキ(右手でかけるブレーキレバー)

  後輪ブレーキMT車なら右ペダル、AT車なら左手でかけるブレーキレバー)

  エンジンブレーキ(2輪車ならスロットル(アクセルグリップ)のもどし、またはシフトダウン(ギアを力のギアに変えること)すること)

 ② ブレーキをかける時の注意

  ブレーキをかけるときは車体を垂直に保ち、ハンドルを切らない状態で、エンジンブレーキを利かせながら、前後輪のブレーキを同時にかけましょう。

  乾燥した路面でブレーキを掛けるときは前輪ブレーキをやや強く、路面が濡れているときは後輪ブレーキをやや強くかけましょう。

  エンジンブレーキは低速ギアになるほど制動力が大きくなります(歯車が大きいので力が強い)。しかし、高速ギアからいきなり低速ギアに変えるとエンジンを傷めたり、急制動がかかり転倒することがあるので、順序よくシフトダウン(ギアを低速に変えるように)しましょう。

  急ブレーキを掛けると転倒のおそれがありますので、4輪車と同様にブレーキは数回に分けて使いましょう。

 ③ 急ブレーキの禁止

  危険を避けるためやむを得ない場合のほかは、急ブレーキをかけてはいけません。なおアンチロック・ブレーキシステム(ABS装置)を備えた車で急ブレーキをかける場合には、システムを作動させるために、ブレーキペダルを一気に強く踏み込み、踏み続ける必要があります。

  むやみにブレーキを使わず、アクセルの操作で徐々に速度を落として(エンジンブレーキを利かせて)から止まるようにしましょう。

Ⅴ 徐行

 1 徐行の定義

  徐行とは、車がすぐに停止するような速度で進行すること。

 2 徐行しなければならない場所(必ず覚える!例外も出題される)

 ① 「徐行」の標識がある場所

 ② 左右の見通しがきかない交差点(信号機などで交通整理が行われている場合や優先道路を通行している場合を除く

 ③ 道路の曲がり角付近(見通しがよくても

 ④ 上り坂の頂上付近

 ⑤ 勾配の急な(10%以上の)下り坂(勾配の急な上り坂は徐行ではない)