ドライバー日記

世の中から交通事故を無くしたい。

仮免学科試験対策「追い越し・行き違い」【有料級】

「追い越し」

Ⅰ 追い越しの禁止

 追い越しとは、車(軽車両、原動機付自転車、自動車、トロリーバス)が進路を変えて進行中の車(自動車、原動機付自転車、軽車両、トロリーバス)の前方に出ることをいいます。

 追い越しは複雑な操作を伴う行為なので、初心運転者はやむを得ない(どうしようもない)場合を除いて、追い越しはしないようにしましょう。(※軽車両・・・自転車、リヤカー、荷車、そり、人力車、馬車、牛車ほか。トロリーバス・・・架線から電気を供給して走行するバス。ここでは以下、省略します)

(1)追い越しを禁止する場合

  次の場合は危険ですから追い越しをしてはいけません。

 ① 前の車が自動車を追い越そうとしているとき(二重追い越し)→二重追い越し違反とならない場合・・・前の車(自動車、原付、軽車両)が原付、軽車両を追い越そうとしているときに追い越すことは、二重追い越し違反とはなりません。

 ② 前の車が右折などのため右側に進路を変えようとしているとき

 ③ 道路の右側部分に入って追い越しをしようとする場合に、反対方向からの車や路面電車の進行を妨げるとき

 ④ 前の車の進行を妨げなければ、道路の左側部分に戻ることができないようなとき

 ⑤ 後ろの車が自分の車を追い越そうとしているとき

 (2)追い越しを禁止する場所

  次の場所では、自動車、原動機付自転車を追い越すため、進路を変えたり、その横を通り過ぎたりしてはいけません。

 ① 標識(補助標識で追い越し禁止)により追い越しが禁止されている場所

 ② 道路の曲がり角付近

 ③ 上り坂の頂上付近

 ④ 勾配(10%以上)の急な下り坂・・・10メートル進んで1メートル下る坂

 ⑤ トンネル[車両通行帯(車線、レーン)がある場合を除く

 ⑥ 交差点とその手前30メートル以内の場所(優先道路を通行している場合を除きます

 ⑦ 踏切、横断歩道、自転車横断帯とその手前から30メートル以内

 (3)道路の右側部分へのはみ出し追い越し禁止

  標識や標示で示されているときは、追い越しのために道路の右側部分にはみ出して追い越してはいけません(中央線が黄色、白色でも実線の場合は、はみ出し禁止となっています)。→はみ出さなければ追い越すことは可能

Ⅱ 追い越しの方法

(1)安全な追い越しの速度と方法

  追い越しをしようとするときは、次のことに十分注意し、道路の状況などに応じてできる限り安全な速度と方法で進行しなければなりません。

 ① 反対方向からの交通

 ② 後方からの交通

 ③ 追い越す車や路面電車の前方の状況(車や歩行者、その他の障害物など)

 ④ 追い越す車や路面電車の速度とその進路

(2)右側追い越しと左側通過

  他の車を追い越すときは、その右側を通行しなければなりません。

 しかし、他の車が右折するため、道路の中央(一方通行では右端)に寄って通行しているときは、その左側を通行しなければなりません。

(3)路面電車を追い越す場合

 路面電車を追い越そうとするときは(原則として路面電車の軌道敷が道路の中央にあるため)、その左側を通行しなければなりません。しかし、軌道敷が道路の左端に寄って設けられているときは、その右側を通行しなければなりません。

(4)安全な側方間隔の保持

 追い越しの際には、追い越す車との間に安全な間隔を保たなければなりません。

(5)追い越しの運転手順

 ① 追い越し禁止場所でないことの確認

 ② 前方、右側方及び右斜め後方の安全確認

 ③ 右の方向指示、及び進路変更

  ⅰ 右の方向指示器を出します。

  ⅱ 約3秒後、最高速度の制限内で加速しながら進路をゆるやかに右に取り、前の車の右側を、安全な間隔を保ちながら通過します。

 ④ 左の方向指示、進路変更

  ⅰ 左の方向指示器を出します。

  ⅱ 追い越した車がルームミラー(二輪車はバックミラー)で見えるくらいの距離まで、そのまま進み進路をゆるやかに左に取ります。

  ⅲ 合図をやめます(二輪車は合図の消し忘れに注意します)。

Ⅲ 追い越されるときの注意

 追い越されるときは、追い越しが終わるまで速度を上げてはいけません。また、追い越しに十分な余地がない場合は、できるだけ左に寄り進路を譲らなければなりません。(加速の禁止・避譲)

「行き違い」

Ⅰ 側方間隔の保持

 対向車と行き違うときは安全な間隔を保たなければなりません。

Ⅱ 障害物があるときの避譲

 進路の前方に障害物があるときは、(障害物のある側の車が)あらかじめ一時停止か減速をして反対方向からの車に道をゆずりましょう。→そのほうが結果として早く通過することができます。

◯ 坂道での行き違い

 ① 坂道では上り坂での発進が難しいため、下りの車が上りの車に道をゆずりましょう。しかし近くに待避所(広い場所)がある場合は、上り下りに関係なく、待避所のある側が入って相手に道をゆずりましょう。

 ② 片側が転落のおそれのあるがけになっている道路で、安全な行き違いができないときは、上り下りに関係なく、がけ側(谷側)の車が一時停止して道をゆずりましょう。→そのほうが結果として、早く安全に通過することができます。